異世界の姫君
嘘で固められていく自分
「それで、お前は何故傷を負った」
リボーンさんが自己紹介した後、話しは最初の質問に戻った。
…あれ?傷負ったのって千年伯爵やノアと戦った時だっけ、その前だったけ?
あまりにも戦いが多かったから、
小さい傷は気にしなかったんだよね;
ああ…こんなこと言ってたらまたリナリーに怒られる
もっと女の子の意識を持ちなさいって…;
てゆうか、傷負った話をすると方向的にイノセンスの説明もしなきゃいけないような
良いのかな?話しちゃって…
..でも前、神田に
(((すぐに人を信じるんじゃねぇ。
俺達は、千年伯爵達に対抗出来るイノセンスの唯一の適合者なんだ。
だから、奴らはどんな手を使っても殺しにくる。
唯は特に何だから気を付けろ!)))
って言われてるし、話しちゃ駄目だよね。
じゃあ何て言おう…
う〜ん;
「まさか…お前、覚えてねーのか?」
「琥月さんまさか記憶喪失!?」
私が困った顔をしていたから、リボーンさんと沢田さんが私のことを記憶喪失ではないかと言い出した。
困った顔してたのは、何て言おうか考えてただけなのに…
記憶喪失は脳に異常があるかもしれないからと
リボーンさんが「シャマル」と扉の近くにいた男の人を呼んだ。
その呼ばれたシャマルさんと言う人は、すぐ私のところ迄来て、頭の辺りに手を当てた。
えっ…それだけで分かるの?
「脳には、異常はないみたいだな。」
ええっわかっちゃったんですか!?
この人凄いです!!!
「 まぁ傷が自己治癒で治るなら、頭に傷があっても治るとは思うが…
脳はデリケートだから、異常がなくても記憶喪失になることはあるんだ。
大体は、少しすれば記憶が戻るんだかな。」
何か、記憶無くしてるの決定になってる;
でも良かったかも…
私の下手くそな嘘だったら、
嘘だってばれるだろうし…
記憶無くしてるだったら、
何も話さなくてすむしね。
「でも、自分の名前は
覚えておいて良かったのな♪
何て呼んだら良いかわかんねーしさっ!」
「そっ…そうですね。えっと …や…山…本さん?」
「さっきツナが言ってが、
まっ俺からちゃんと自己紹介な!
俺は山本武。好きなのは野球
俺のことは、下の名前で呼んでくれて構わねーぜ。その代わり俺も琥月の事、唯って呼ぶな♪
とにかく、宜しくな唯!」
「あ…はい。宜しくです。やま…た..武さん」
何かこの人ラビにそっくりだな
「 お前記憶無いってのに、何呑気に握手交わして宜しくやってんだよ!」
「えっ…;」
何で、いきなり怒鳴ってくるんですか;
身体がビックリしたじゃないですか。
それでなくても、私お化けとか苦手なのに…;
「あ…ごく…?」
えっと名前何でしたっけ..
ごく..…ごく..う〜ん?
ごく..…;
又、忘れた!
よく物事を忘れるんだよね;
「…はぁー;俺は獄寺隼人だ。
十代目のお命に手を出したら 果たすからな」
「あっ!そうだ。獄寺さんだ!」
あー分かんなかったの分かってスッキリ。
「シャマル。こいつ本当に頭ん中大丈夫なのか…;」
ムッ!
失礼です。忘れっぽいのは前から何です!!
……なんて、言えないけど……!
「まぁ大丈夫さ。さて、次は俺が自己紹介だな。
俺はシャマル、医者だ。宜しくな♪」
「 わあっ!琥月さん逃げて!」
シャマルさんと言うお医者様が、自己紹介した後、何故か沢田さんが慌てたように私に言ってきた。
ガシッ
何でって言おうとしたけど、何でか分かったから言わなかった。
だって、
シャマルさんにギュッて
抱き締められているから。
「可愛いね君ー♪俺の彼女にならなぁーい♪」
「わーシャマル離れろー!!!」
「何やってんだヤブ医者ー!!!」
「 ハハッ」
沢田さんと獄寺さんが一生懸命私を抱き締めている、シャマルさんを離そうとしていて、やま…武さんは、その光景を見て笑ってる。
やっと、シャマルさんが私から離れたら、
沢田さんが「大丈夫?」っ聞いてきた。
「あれ?診察終わったんですか?」
「えっ?」
「はっ?」
えっ…違ったのですか!?
何か沢田さんと獄寺さん、凄い顔になっているんですが..…;
「さっき頭触っただけで、脳に異常が無いって分かったから…抱き締めたら他の異常も分かるのかなって…
違うんですか…?」
「何でそうなるのーー!?」
「アホか…;」
「じゃあ..何でですか?」
「そ..それは琥月さんが、女の子だからだよ。」
「??…意味が分かりません;」
「駄目だこりゃ。救いようがねぇ、アホ女2号だ。」
「はは…;」
だって、分かんないし
女の子だからって、知ってるし…
逆に私が男の人だったら、ビックリだ。
獄寺さんって 結構辛口だ。
沢田さんは苦笑いしてるし..
や..武さんは、何でかニコニコしてるし
これから私どうなるんでしょう…;
うっかり、イノセンスとかの話ししちゃたらどうしよう....;
記憶が無いっていう設定を忘れたら大変です。
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