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異世界の姫君
原型



((いいか、唯
お前のイノセンスは2つとも寄生型だ
それを2つとも体内に置くことはお前の寿命を
かなり減らすことになる
下手したら20代にもならずに死ぬ可能性もあるんだ

………だから、俺は体内に戻すことは進めない))

クロス元帥の元に居たとき、
そう言われたのをちゃんと覚えている
アレンも途中からこの話を聞いていたらしく
私がイノセンスをもうひとつ体内に戻すことを
頑なに阻止されていた

((僕は唯が居なくなったら困ります
唯は僕のたった一人の家族のような
者なんですから
………だから、もうひとつのイノセンスを体内に戻す何てことしないでください))

悲しそうな顔をして私を抱き締めながら
そう言ったアレン
私とずっと一緒にいて家族と言ってくれたアレン
とても大切で大好きな存在
私がもし長く生きられなくてもアレンには
リナリー達が傍に居る
私が居なくなっても傍には支えてくれる人たちが
沢山居る

だから、今は私はここの人達を守るんだ
綱吉さん達が私にとって大切になった

「イノセンス………発動!!!」

「!!」

驚きながら此方を見る雉さんを気にしないで
イノセンスに目を向ける
イノセンスは私の発動と言う言葉に私の手から
舞い上がり、そして桜の花びらへと
姿を変えていった

変わっていったイノセンスの花びらは私へと降り注ぎ身体に触れると溶け込むように消えていった
はたからに見たら多分気持ち悪いだろうこの光景
少し痛みが生じるのだが身体中の痛みで余りその痛みを感じない

まぁ、そこらじゅうから血が出てるしね
そろそろ全部の花びらが私の身体の中に溶け込んだろうなって頃にすうっと小さくゆっくり息を吸い込み
そして、ゆっくり息を吐く
すると吐く息から小さい桜の花が出てくる
出てきたそれは私の目の前で固まっていき
美しい刀と姿を固めていった

それは、やはり作り物では感じさせない
威圧感、数倍の美しさを
この刀からは感じさせられる
目の前に浮く刀を握りながら、驚いた

クロス元帥に作ってもらった刀より、
凄くしっくりくるそして驚くほど軽い
作ってもらった方は無かったけどそんなに軽いわけでもなかったから
…やっぱり、イノセンスの本来の姿の方が
私にはかなり合うんだな……

「〜〜っっ!!!刀が戻ったからって調子にのるんじゃないわよ!!」

突然私の方を見ながらたたずんでいた雉さんが
今のこの光景に恐怖を感じたのか叫びながら私の周りを幻覚の花達に覆われた
その全部が鋭い牙を剥き出で

こんなに幻覚作り出して、限界まできているだろうに大丈夫なのかな、雉さん
難易度が高い有幻覚までして……

………これは、早く終わらせた方がいいかも

元の姿に戻ったばかりの四季桜を
両手で持ち上に向ける

すうっ……

「四季桜第1開放、桜よ研ぎ澄ませ
ーーーーーーー斬桜!!!!」

緑色の淡い光が四季桜を包み込み、
刃が大きくなっていく
それを回りに居る花達に向かって振り回す
軽やかに真っ二つに斬れていく

それでもまだ、数は残る
それらには四季桜を元の形状に戻し、
刀から桜の花びらを舞わす

「……麗斬桜!!!」

私の言葉に舞っていた桜の花びらは鋭く尖り、
残りの花達に小さい刃となり、向かっていき切り刻んでいった

パラパラと花たちの破片が雉さんの前を舞う

「あ"ぁ"あ"…………」

これは、パニックに陥っちゃうかもしれない
早く眠らせなきゃ

瞬身で雉さんの後ろに周り
手刀を深めに首に降り下ろし、気絶させる

「あ"………くっ……」

ブワッ

「えっ………」


雉さんはゆっくり地面に崩れていく
ふっとひと安心していた私に雉さんは眠ってしまう
前に最後の力とばかりに大きな花を私に向け放った
私は油断してしまい、花により後ろに飛ばされた

ここはビルの屋上
後ろは何と空中で私は空に投げ出された
私を突き飛ばした花は出した本人である雉さんが
気を失ったので花も消えた

ビューーーと耳を風が通り抜ける音がする

息も苦しい、この状態流石にヤバイよね
どうしよう、私なんか色々の疲れでこんな状況なのに眠ってしまいそう
起きたときここは天国?状態はごめんだが、
体を動かすのもしんどい

身体中ボロボロ、イノセンスを本来の寄生形に戻したおかげて疲れが半端ない

死にたくはない…でも、動かない身体
眠くて下がってくる瞼

どうすることも出来ない自分

ふと、頭に浮かんだのは一緒に此方の世界に
来たのに過去の方に置いてきてしまった

大切な相棒である、幸のこと

可愛く私に刷りよってきて、
時に私を守ってくれる人間嫌いだけど、優しい子

会いたいよ、幸
会えるのに一緒に来たのに会えないのは寂しい


「っ〜〜〜、幸っっ!!!」






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あきゅろす。
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