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異世界の姫君
誤解








「………;」

「……」

こ、怖い…;

何故怖いかと言いますと現在私は正座をしています
正座をしている私の前には怖い顔をした雲雀さんが座っています

えー…何で雲雀さんが怖い顔をしてこちらを凝視してますかと言うと
それは私が着物を着たまま座禅をしていたからなんです

用事が終わって戻ってきた雲雀さんに見られてしまって正座をさせられて目の前に座って怖い顔をしてるって訳です

うー脚が痺れてきた
私が悪いですよ…;
雲雀さんの彼女さんの着物を雑な使い方したんですから怒るのも当然ですよね……
(唯の中で雲雀に彼女が居るのは決定事項)

反省しつつ脚の痺れがピークに達しつつある唯は
涙目になりながら、どう雲雀に赦して貰おうか考えていた

そんな唯に対し雲雀は口を開いた

「…君はもう少し女の子だと言う自覚を持った方がいい
座禅をするのは構わないが、着物のままするのは
着物が乱れる
草壁に一言言えば動きやすい服を出してくれるから
次からそうしてくれればいい
もう、正座も崩していい」

正座を崩していいと言われ唯はすぐに崩した
当分は脚が痺れて動けないだろう

て言うか、雲雀さん思ったより怒ってなかった
どうしてだろ……?
顔が凄く怖かったからめちゃくちゃ怒ってるのかと思ってた

あ、それでもちゃんと謝らないとっ!
彼女さんの高い着物変な扱い方しちゃったからね
てか、着物じゃないのあるのならその服を貸してほしいですよ、雲雀さん;


「あの、雲雀さん着物のまま座禅して
本当にごめんない

彼女さんに知れたら怒られますよね……」

「………
…………君は何を言っているんだい……」

雲雀さんは私が言ったら
よくわかんないような顔をして聞いてきた

「えっ、だってこの高そうな着物
雲雀さんの彼女さんのじゃないんですか?」

「……僕に彼女が居るって何処から出たんだい
その情報…」

「違うんですか?
てっきり女物の着物だから雲雀さんが着るわけないから、彼女さん用のかと思ってたんですが……」

「…はぁ…その着物は唯用に取り寄せたものだよ
僕には彼女なんていないし、借りにいても
そんなに小さい着物は着れる筈がないよ」

「あ、それもそうですね!
私ちっさいから着れるわけないですよね
そうだったんですか、私用にだったんですか……

フッ…ありがとうございます、雲雀さん」

私用にわざわざ取り寄せてくれていたんだ
雲雀さん10年前の方は戦い大好きな感じしか感じなかったけど今はこんなによくしてもらって……

本当に十年の月日って凄いなって思うな


「ところで唯
鍛練の相手をしてほしかったんじゃないのかい」

「はっ!そうでした!」

「なら、草壁から動きやすい服を貰ってきなよ
さっき言っといたから準備してるはずだよ」

「あ、はい
それじゃぁ、草壁さんの所に行ってきますね」

そう言うとやっと脚の痺れがなくなったので
唯は部屋を出て草壁の元へと行った

一人になった雲雀はさっき唯が言っていた言葉を考えていた

「彼女用…か、
君がなってくれたら彼女用になるね

……まぁ、でもなってくれても
永くは一緒に居られないだろうけどね……

君は元の世界に戻ってしまうんだから……」


雲雀は唯が出ていった方を見ながら
何処か寂しそうに呟いた…








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あきゅろす。
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