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異世界の姫君
強い君は





…ガク……ドサッ…



っ……!!!やば…
深く斬られたお陰で腕と足元を
赤い滝のごとく凄いことになってる……;


ーーーーークラッ……


……っ…貧血で目眩が…
こんな所で…気絶なんて…したくな…い…


……ドサッ……


唯はそのまま地面に倒れこみ

意識を失った





パキ……ガサ……

草木をかき分け気絶している唯に
向かってくる人物がいた
その人物は、倒れていて此所に居る唯と
周りに倒されて居る敵に驚いていた



「…!!…唯?!……」


その人物は唯の傍まで行き、
唯が傷を負っているのに気づき素早く
自身のネクタイとハンカチで止血した

「何で君が…此所にいるんだい…」

唯の頬に手をおき
問いかけるように眠っている唯に言った

黒髪を風に靡かせ無表情ながらも
どこか悲しそうな顔で唯を抱き上げた

彼の名は雲雀恭弥
唯が知っている彼からは随分と
大人の雰囲気で成長している姿だった

唯を抱えた雲雀は歩を進め
目的地の場所に向かうためまた深い森の中に入っていった



数十分して雲雀は足を止めた
目的の場所に着いたようだ

そこは神社だった

雲雀はリングを唯を抱えたまま
指に付け炎を灯した

そして、消えるように灯籠の横を通った
そこを抜けると周りは先ほどまでの外ではなく
建物の中のようだった

雲雀がその建物の中に入って少しして
こちらに向かってくる足音が聞こえた



「恭さんお早いお帰りで!
何か収穫があったんですか?」

彼は、草壁哲矢
雲雀恭弥を慕っていて
並盛中学の副風紀委員長をしていた
今でも部下と上司の関係だ

そんな草壁に雲雀は唯を見せ
「この子の傷の手当ての用意を頼む」


唯を見せられた草壁は驚いた

「恭さんその方は
唯さんではありませんか!
何故この場所に…」

「唯は10年前から来たようだ…
とにかく早く手当ての用意をしてくれるかい」

「は、はい!!」

雲雀に言われた事を無視してしまったので
雲雀は少し殺気を出しながらまた草壁に言った
その殺気を感じとった草壁はすぐに手当ての用意をするために来た道を戻って行った

冷や汗をかきながら……


雲雀は草壁が去ったのを見ると
自分の部屋に向かった

自室に付き腰をおろした

雲雀は抱えていた唯を体の痛みを
感じない程度に畳の上に寝かせた

ほどなくして草壁が雲雀の部屋の襖を開けた

「恭さん持ってきました」

「じゃあ頼むよ」

「へい」

草壁は唯の傍により
唯の手当てをする

それを雲雀は横で見ながら、資料にも目を通す

「恭さん終わりました
唯さんの傷思ったより深かったんで
血が結構流れたようです
なので、当分は目を覚まさないと思います

この傷匣兵器にやられたんでしょうに…
唯さんは10年前から来たばかりで
この時代の戦いかたを知らなかったんでしょう…」

草壁の言葉を聞き雲雀は少し無言になった後
草壁に下がっていいと言った

草壁は返事をして
速やかに雲雀の部屋を退室した

また静かになった部屋
雲雀は唯の顔を見て呟いた

「この時代の戦い方を知らないで
敵を倒すなんてやっぱり君は凄いね

起きたらまた手合わせを願いたいよ」

唯はなお穏やかに眠っている
雲雀にとって今此所にいる唯という
存在を見るのは久しぶりだった

「沢田綱吉達も君に会いたがっていた
けど今は言うつもりはないよ
やっと君を独り占め出来るんだから…

それに…

これからの戦いに
唯を巻き込む訳にはいかないからね…」


雲雀は再度唯の頭を撫で
少しして唯に布団をかけ部屋を出ていった


草壁に唯の事を頼み
自分はまた外に出ていってしまった



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あきゅろす。
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