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異世界の姫君
体力の消耗



スタ……スタ…




「唯大丈夫か?
体調わりーんなら俺がおぶってやるってのに…」

「いえ…大丈夫です
それに武さん、傷負ってるでしょう?
微かに血の臭いがします…」

「ハハ…やっぱ唯ってスゲーな
よく気がついたよ…;」

さっきから微かに漂っている血の臭い
段々と強くなってる
傷をとってあげたいけど
今の私は無理だ

解毒してもらったけど一時的に毒を体の中に入れられたお陰で、体が元々の痛みと反発してそんなにない体力を余計に消耗してる
現時点の私は立っているのがやっとだ
それでも、歩を進められているのは根性だけである


唯と山本が歩いて他の守護者の解毒に向かっていたら突然これがした

「てめー誰だ!?」

唯はその人物が誰か見えてないのでその声に驚いたが聞き覚えのある声だなと思った

するとその人物が見えていた山本は
「!?獄寺!!」
その人物の名前をよんだ
一方の獄寺も山本だと気づいた
「や…山本!!無事だったのか」

「ああ ヒバリが校内で死人だしたくねーって
助けてくれた」

「なっおまえもかよ
あいつ オレ達に貸し作って何企んでんだ…?
不気味だ…」

武さんと獄寺さん
雲雀さんに助けられたんだ…
ってことはこの場所にいるって事だよね!!?

会いたくない!!会ったら絶対戦い申し込まれそう;
私体力ないって言ってもやって来そう;;

獄寺さん達の会話を聞きながら
歩くのを止めそんなことを思っていたら

「だが、あいつも相当やられてて動けそうにねぇ
リングは預かってきた」

「ヒバリが……………?」

「あと助けてねーのは、誰だ?」

「アホ牛と芝生頭は無事だぜ」

「ってことは残るは…」

「唯と霧だ!!」

ん?私?
あっそっか獄寺さん知らないんだった
早く出ないと

そう思った時山本は笑ながら
「ハハッ…獄寺、唯はもう助けたぜ」

「は?此処に居ねーじゃねーか
あいつリング持ってねーのにこの戦いに参加させられたんだぜ
置いてきたらあぶねーじゃねーか!!」

獄寺は怒ったように山本に言った
すると、そこで唯は出た

「獄寺さん、私ちゃんと居ますよ
歩くスピード遅くて山本さん獄寺さんの方にかけてっちゃって話し出したから
なんか…出るタイミングをのがしちゃいまして…;


「唯!!ったくタイミングなんていーから
早く出てこいよな!」

獄寺は唯が出てきて、
驚いた表情の後安心した顔をした

「獄寺、てことは残ってるのはあの娘だけだぜ」

「体育館か!!」

タッと走り出そうとした二人でも
唯が走れないのに気づき戻ってくる

「あの…私は平気なので二人共先に行ってください
すぐ、追いかけますから…」

「駄目だ!さっきも言ったろ?
お前は無理矢理参加させられたんだ
置いてったらあぶねーだろって!!」

獄寺は溜め息をつき、唯を見て言った
でも、唯は辛そうな顔をしないように微笑み

「先に行ってください
獄寺さん、武さん30分までに解毒しないと助からないって武さん教えてくれたじゃないですか
だから、残ってる人助けに行ってください

私はもし、危なくなったら自分の武器を使うので
大丈夫です
それに私の戦闘力は相手側に引けをとらないと思いますし!!」

ガッツポーズをしながら言い切った

「でもよ…「お願いです、私はお二人の足手まといにはなりたくありませんから…!!」
…分かった、行くぞ山本!!」

唯は獄寺の言葉を遮り尚、言った
その言葉に獄寺は苦い顔をして承諾した

獄寺は足手まといになりたくないと言う唯の言葉が一番分かっていた
だから、渋々ながらも承諾をしたのだった

山本も唯が本当に心から思っているのを感じ

「ただし唯、無茶をするなよ」


その言葉だけを残し獄寺と走って体育館の方に向かった


唯は獄寺達が去ってから
力尽きるようにその場に座り込んだ

唯の体力はかなりの限界に来ており、もはや立っているのも儘ならない状態だった

確かに唯は敵のヴァリアーに勝てる程の戦闘力は持っている
でも、それは体調が万全の場合だ
今の唯は体を動かす力さえないので、せいぜいしたっぱと戦える位だ



それほどまでに唯は弱っていた










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あきゅろす。
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