異世界の姫君
深夜の人影
…コツ……コツ…
時刻は深夜2時前頃
暗い病院内を黒い服に身を包んだ
人影が2人、とある病室へと向かっていた
ガラッッ
目的の病室に着き扉を開ける
そこにはスヤスヤと
子狐と眠っている少女がいた
「ししし…
お目当ての人物みーっけ♪」
「全く、お金をくれなかったら
こんなこと引き受けないで
今頃寝ていられるのに…」
それぞれ言葉を発したあと
室内に入りその少女の近くまで行く
「じゃぁ、早く連れて帰ろう
僕は眠たいんだ…」
「ししし、分かってるって♪」
深くフードを被っていて
体は赤ちゃん並で浮いている方の子は
どうやら、
今の時間に起きていられないらしく
かなり眠そうなしゃべり方をしている
それでも、この仕事を受けたのは
大金を貰えるからだ
フードの子は貯金が趣味のような
ものだからなのである
一方、もう一人の方は
暗闇でも月の光で結構目立つ
金髪の髪をしていて
頭にティアラをしている
それはまるで王子様のようだ
前髪で目が見えなく
分からないが
口元は口角ををあげ
綺麗な歯を出し笑い
楽しそうである
ギシ…
ゆっくりと金髪の髪の毛の方が
眠っている唯を抱える
「こいつ、遠くからしか見たこと無かったけど
よく見たら
綺麗な顔してんじゃん♪
あん時ボスの攻撃を難なく
避けてたからどんなやつかと
思ったけど…」
「ベル、そんなことより
早く行くよ
跳ね馬が戻って来たら
色々と厄介だ」
そう言って二人は
目的の人物、唯を連れ
病室の窓から出ていった
連れ去られた本人、唯は
波打つ痛みに起きないよう
睡眠薬を飲んでいるので
この自分の現状を知らず
すやすや深い
夢の中であった………
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