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異世界の姫君
知る君の






…………さぁっ




風を肌に感じる、少し冷たい風
ふっ、と目を覚ましたら広がるのは多い繁る木
そして雲がいい感じにある、青空
太陽は傾いていてお昼過ぎくらいだと思う

身体を包む温もり
肌寒い季節外で寝ていたのに全然冷えていない身体
顔を横に向けると回りは紺色のふさふさの毛

「……幸… 」

ブワッと私の声に反応して動く毛並み
その中から覗く幸の顔、安心している顔
この暖かさは全部幸だった
私を暖めるように布団のようにかけてくれていたのは、幸のふさふさの9つある尻尾の2つ

「…ありがとう、幸」

此方を向いた幸の頭を撫でながらお礼
幸は私の手感触にうっとりとした顔をした
……可愛いな

そんな和やかな空気の中ふと、周りを見渡す
そしてあることに気がついた

「あれ、……幸
綱吉さん達やユニは何処?」

撫でる手をやめ、起き上がり幸を見る
ここ居るのは私達の二人だけ
他の皆さんの姿が周りに感じられない

「(……ここには…………僕たちだけ……

…僕は唯を守なきゃいけない)」

とても、真剣な目、脳内に響く幸の声
私が寝ている間に幸が変わってしまったように
見えた
?なんで、私を守らなきゃいけないの?
私は、平気だよ?何も問題ないのに

「幸、私は平気だよ
傷だってさ、ほら、もう全然ないよ?」

チョイスでの傷は全部綺麗に治っていた
何処の場所にも小さい傷さえ残ってはいない

私は、笑ってそう言った
ちゃんと、笑っていた、全然問題ないって
しかし、幸は大きな身体を素早く起こし私を睨んだ

……違うな、苦しそうに悲しそうに私を見てる

「(その傷が治ってしまっているのは、全部

唯が体内に、四季桜を寄生型として戻したから!!
だから、四季桜の中で唯一の、治癒能力である、
春桜で治ったんじゃないか!!!
……春桜を使うには……必ず……代償がいる……

イノセンスが、唯を守るために勝手に
傷を治したにせよ、それは絶対……

その代償って、


ーーーー唯の寿命なんでしょ!!!)」

…………

…何も、言葉が出ない
幸が悲しんでるのに、なにか言わなきゃいけないのに……
全部的に当てはまっていて、当てはまりすぎていて
言葉が出てこない

「(……クロスが唯の体内に四季桜を戻しちゃいけないっていっていた

唯のまだ小さい身体には2つのイノセンスは強すぎるからって……
イノセンスは強い力の固まりだから
体内に戻したらそのうち、唯の命を
短くしてしまうって……


春桜の能力を沢山使って、
もう十分唯の寿命は縮んでる
それに加えて、イノセンスの力までもが
…………唯の寿命を蝕んでる

…このままだと、………!!

…………唯、死んじゃう!!!
あいつらが、唯の傍にいると

……僕を……置いて…死んじゃうっ!!)」


涙をポロポロ流しながら、嫌だ、置いていかないでと言う幸
…幸はいつから、知っていて目をつぶっていてくれたのだろう
いつから、こんなに私のことで苦しんで
いたのだろう

でも、ごめん幸

「幸ったら、何そのでまかせ
また、クロス元帥に騙されちゃってさぁ〜!

四季桜が私の体内にあっても、なんの支障も変化も全然ないよ?
傷が治ったのは確かに体内にある四季桜のおかげ
でもね、代償はただの軽い痛みだけ
今は元の形状に戻ったから、四季桜の能力に、
大きな代償が必要だと限られなくなったみたい!

それに、駄目だよ幸
綱吉さん達に怒っちゃったら!!

この戦いに参加することも、ユニを守ることも
そして、綱吉さん達の傍にいることも全部

………私が決めたことだよ」

幸に嘘ついている私
ああ、私…悪い子だな…アレンに怒られちゃうよね
ごめんなさい、幸……本当に……

でもお願い幸、私の気持ち分かって……

幸は私を見据えたあと顔を近づけてきた
肩にストンと幸の顔が置かれた

「(…………唯、強くなった
それでも僕は、唯を守るよ

唯が大好きだから)」

「うん………私も幸が大好きだよ
ありがとう幸、ありがとう……」

幸を抱き締めた

感謝してもしきれない、大好きな幸
嘘ついてごめん
心の中は矛盾だらけ

涙が流れて来る、
すぐにそれを幸にバレないように拭う
そして、いつもの私に戻る、笑顔の私に




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あきゅろす。
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