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異世界の姫君
過去の扉







その後、
私はお祖母ちゃんと別の辺境の地へ移動した

なにも変わらない普通の日常
この頃に幸に出会い家族になった

幸せな日々だったんだと思う、ただ、
ひとつ何かが欠けていた、そんな日々
でも、やっぱり直ぐに幸せな日々は崩れてしまった

お祖母ちゃんの結界は脆く
精神的にもお母さんが死んだことで限界だったのかもしれない
簡単にAKUMAの浸入を許してしまい
お祖母ちゃんは私をお母さん同様守って
殺されてしまった
死ぬ間際、最後の瞬間までお祖母ちゃんは私の事
を想っていてくれていた

泣きながらイノセンスを発動させようとしたけど
使い方をまだ理解してなかったのもあり、
何も出来なかった私に

最後のこの瞬間の記憶まで封じてしまったから…

気を失って倒れていた私は、
クロス元帥とまだ小さかったアレンに拾われた
それから、イノセンスと向き合う修行
幸にイノセンスが反応したこと
アレンと沢山修行したこと、色んな出来事があり

私は、エクソシストになった


そう、私はエクソシストなったんだよ
もうあの頃の弱くて大切な家族を守れなかった
小さな存在じゃなくなった

お母さんとお祖母ちゃんに守られて私は、
やっとここまで来たんだよ


早く、目を、覚まさないと守れなくなる

戻ろう

この世界での大切な存在

私に笑ってくれる、綱吉さん達の元に




ーーーーーー……ブワァゥ




突然の強風
暗闇の中ただ浮いていただけの私は、強風により
飛ばされていく

わっぷっ!!!わぁぁああああっっっ!!!

穴のような場所へ吸い込まれるように落ちていく






ーーーーーーーーーーーーーー…









ぱち……

あれ?ここは、?

目を覚ますと目の前には草木
身体を起こし、周りを見る
幸がそばに居ないし、第一此処は何処だ?
早く綱吉さん達を探さないと、ユニも守らないと

足に力を入れ、立ち上がろうとした時だった

………ガサッ

目の前の草木が揺れた
誰か来ると感じ思わず構える
すると、

「あら、女の子?」

現れたのは黒髪の綺麗な女性だった
黒髪わりに日本人女性ではないような感じ
それに、誰かに似てる

誰かに…………あっ!


「ユニに似てるんだ」

「!貴女、私の娘を知っているのね」

「むすめ?、てことは、ユニのお母さんですか?」

一瞬私が誰に似ているか思い出し声に出すと
その女性は驚いた顔をしたあと、何故か
納得している顔をした

「そうよ、貴女は……唯さんね」

「!?私の名前、知っているんですか?」

「えぇ、私はアリア
貴女がここに来ることは知っていました

琥月一族、最後の一人」

微笑みながらそう言うアリアさんは本当に
綺麗な人だなと思わず話を聞きながら思った
私が最後の一人って事まで知っていたのは驚いた
でも、ユニの事も知っているから
ユニのお母さんがみえていてもあまり驚きはしない

「アリアさんもやっぱり、見えているんですね
だから、私が此処にいることに余り驚いて
いなかったんですね」

「唯さん、貴女も見えているはずですよね
しかも、私達のように消えたりはしない」

そう、この力は私達の一族は消えたりはしない
ずっと、心の奥底に存在する

「はい、
でも私はこの力を使うことを拒否しました」

「拒否?」

片目を押さえながらアリアさんを見る

「私はこの力を今は使っていません
仲間達が必要がないと教えてくれましたから……

勿論、この力は消えたりはしないのでずっと私の中にはあります
でも、もう私には
必要がないからこの先使うことはないと思います」

「そうなの…唯さんはとてもいい仲間そばにいるのね」

「はい!アリアさんにも
とても大切でいいお仲間さんたちが居るんでしょう
そうじゃないと、そんないい笑顔は見れませんよね」

アリアさんのその優しい笑顔は
いいお仲間さんたちやユニが居てこそ出てくる笑顔

「ふふ……柚実さんに唯さんはそっくりなのね」

「えっ?お母さんに会ったことがあるんですか?」

「そうよ
たった一度だけだけど、夢の中で会ったのよ
とても、芯がある強い女性だったわ

そうそう、その時唯さんの話を聞かされたわ」

親バカぽかったわ〜…と笑いながらその時お母さんと話した内容を教えてくれるアリアさん
小さい頃の記憶は最後の酷いシーンが強すぎて
余り思い出せないでいたけど、
アリアさんの話を聞くとそうやあそんなこともあったなと実感できる

沢山過去の自分は幸せだったと実感した

「……そろそろ、唯さんは戻らないとね
ユニ達の元に」

「えっ…それって、どういう意味ですか?」

「ごめんなさいね、伝えてなくて
此処はね、唯さんが居る時からは過去の世界
唯さんが戻る時間には私はもう、存在しないのよ」

存在しない?……それってまるで、

「さぁ、行きなさい」

アリアさんのその言葉はまるで私を現代へと戻すための扉を開くように、過去へ来たときにおきた強風が私の回りに現れだした

「わっっ!!!」

「沢山話せてよかったわ!
ユニをよろしくね、唯さん」

「〜〜っ、アリアさんっ!ありがとう!!!」

見えなくなる瞬間苦しい息の中、
声を張り上げ聞こえたか分からないけどお礼を言った
何に対してか分からないけど、でも、多分それは
見えていたのに会ってくれての意味のような気がする

私はそのまま意識を飛ばした

大丈夫だよ、アリアさん、私、ユニを守ってあげるからね






……がさ、がささ

「ボス、こんな所に一人で居ないでくださいよ」

「あら、γ
別に良いじゃないの、それに一人ではなかったわ」

「誰かと一緒だったんですか?」

「えぇ、過去からの小さなけれど大きな子とね」

「はぁ……?」






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あきゅろす。
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