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異世界の姫君
見えない





ーーーーーコオォォ…………


「いつつ……や……やった!!
並盛に…転送<ワープ>できたぞ!!」

ドサッ

そう喜びながら綱吉は木から落っこちた
すぐに獄寺とバジルが綱吉の元に駆け寄った

一方基地ユニットの中では

「ふんじゃってごめんなさい」
…………グニグキ
「今度はランボさんがふんじゃうもんね」

並盛町着地時、ユニがランボの上に
落ちてしまったことでランボは怒っていた

「クンッ………」

肩にしがみついていた幸は心配してるように、
私にすりよってきた



クンクンと幸の声が聞こえる
私の頬にすりよるのも感じる
こんなに近くにいるのを感じるのに、
目の前が霞んでいて……………何も、………

…………何も…見えない

目を擦っても変わらない、声や
音だけしか聞こえない

リボーンさんの声、入江さんの張り上げる声、
ユニの声、外の方で聞こえる獄寺さん、
綱吉さんの声

なにかに向けて攻撃した音

ど う し て


……………どうして、幸がちゃんと見えないの

「……ぁっ、幸…」

霞んでる、ちゃんと見えないの…

「?唯?」

リボーンさんが私の異変に気づいたように呼ぶ
他の皆さんも私を見た気がする

「おい、どうかしたか?」

「唯様、どうかされましたか?」

リボーンさんだけじゃなく、ユニまでが
近づいてくる音がする

…………っ!いけない
こんな大変な時に余計な心配なんて
かけさせちゃいけない
平常心、平常心でいなきゃ!!

「何でもありませんよ?」

ニッコリ笑ってそう言った
大丈夫、今の演技に変なところはなかったはず
ばれてない、

そう思ったのに、

「本当に平気なの、唯ちゃん」

綱吉さんの真剣な声が聞こえた
ばれている、私の異変に確実に…そう思った
………いつもそうだった
綱吉さんは私が平然を装ってもその偽の
仮面に気づいていた
この人はまるで人の心が読めてしまうようだ
怖いそう考えてしまったことは一度もない

いつも、思ってしまったのは
綱吉さんなら分かってしまうそれだけだったから

でも、だからといって皆さんに心配かけたくない
綱吉さんにばれていても私は嘘の仮面を被り
それを突き通す
今はそうした方がいい
皆さん精神面での疲れもあるのだから……

「本当に平気ですよ
すみません私が少しぼーとしていたから心配を
かけてしまったんですよね

本当に私は…………………」





キーーーーーーーーーーーーーーーーーン





ガタァア!!!!!

「「「唯/ちゃん/様!?」」」

何、この耳鳴り……頭が痛い……!意識が…とぶ

………っ駄目だよ…こんなところで倒れたら
それこそ皆さんに…迷惑がかかってしまう

ーーーーあぁ、
………近くで綱吉さんやユニ、リボーンさんの
声がする
幸も私のすぐそばで焦ってるね
ごめん、幸、皆さん

結局は私は皆さんに迷惑をかけてしまっている
本当に申し訳ない

…あ、…目の前が………まっくら……………に…………





唯はそのまま倒れ込み意識を失った
それを傍らで見ていた幸

「唯ちゃん!?どうしたの、しっかりして!!」

「唯様!?」

「おい、唯!!何で突然気絶なんか…!?」

一番近かったリボーンがすぐに傍に行き唯を見た
突然の気絶、意味が分からず綱吉達は混乱した
とにかく医療設備が整っているアジトに
連れていくことにした綱吉達

ーーーーしかし、




「(待って)」








「「「「!!!!」」」」

突然、頭の中に響く声
誰の声だと辺りを見回す綱吉達
だが、自分の仲間達以外の人物は見当たらない

不審に思ったリボーンは敵の奴かと銃を握りしめる
そんなリボーンを見て他の面々も武器を手にする

「てめぇ、何処にいる…」

リボーンのドスのきいた声
近くにいた唯を抱えている綱吉は思わず冷や汗をかいた

「(僕は君らのすぐ傍にいる)」

リボーンのドスのきいた声に怯えたようすのない
返答

「傍…だと?」

「(そんなことより……かえして)」

「は?」

意味がわからない言葉
見えないやつから何かを取ったつもりのない面々


「返してって…俺ら何もとってないよ!?」

綱吉が怖がりながらもそう言った

「(違う…とったわけじゃない…でも…かえして)」

余計意味が分からなくなってきた綱吉達
見えない者が何を求めているのか
わからないでいた







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