[携帯モード] [URL送信]

異世界の姫君






ーーゴクゴク

ロマーリオさんから貰った飲み物を飲みながら
私の代わりに雲雀さんの相手になっているディーノさんをロマーリオさんと離れてみているとき
私の身体に異変が起きた

ーーーズキッ

「……っ!!」ぱしゃぁ……
突然の体の痛み……その痛みに耐えられず
持っていた飲み物を落とし、倒れ込んでしまった

隣にいたロマーリオさんが直ぐに私に駆け寄る

「どうした!おいっ、……!」

その掛け声で、離れたところで凄い音をたてながら
バトルをしていた雲雀さんとディーノも私の異変に気づいたらしく駆け寄ってくる

ロマーリオさんが私の肩に触れたとき、私は直ぐにそれを払い
「すみませんっ……ぅっ!
今、近づかないで……くださ……!!」

驚いた顔のロマーリオさんとディーノさんの顔が見えた
悪いなとは思ったけど、今近づいて来られたら困る

………だって……

ーーーーーパアァァァァアア

「!!唯の背中からピンク色の羽が!?」

「………っうぅ!!
痛い……!……んぅ……は…ぁ……
……っあ、新しい継承者は……っ…私
……くぅっぁ!!…琥月唯…
…はぁっ……だからっ…治まって!!」

胸を抑えながら、いい放つ
すると、その背中から生えている羽はじょじょに消えていった

視界がぼやけてくる………
身体が痛くてしかたがない…
お祖母ちゃんが言ったとおりだった

『いいかい、唯
この力は継承するまでが困難なんだよ
激しい痛みが身体中を駆け巡り、新しい継承者が
唯でいいか確認をするんだ

力が唯を認めたら、もう痛みは来ないからそれまでの我慢だよ
頑張ってね、唯』

力に認めて貰うための通らなきゃいけない道
こんなにも痛いなんて………

周りで私の状況を見ていた、ディーノさんたちは
何が起こったのか分からないでいた
私だって突然こんなことが起きなかったらまだ
何も話すつもりはなかった

「唯…何がどうなってんだ…?
……継承…って言ったな…何の継承なんだ!?」
パニックになりながらも聞いてくるディーノさん
でも…
「ごめんなさい…ディーノさん
………今はその事を話せないんです…
ちゃんと…言えるときがきたら話します
…それまで他の人にも今見たこと黙ってて下さい

……お願い…します……」

起き上がって、まだ胸に手をあてながら
ディーノさんにお願いする

ディーノさんやロマーリオさんは渋々ながら
分かったと言った
雲雀さんは多分話さないのだろう、無言だったのでそう思った

……………ああ、眠い

ーーードサッ

そのまま私はその場で気を失った


ディーノside

ついさっき唯の身に起きたことを
誰にも話さないことを唯に言われた
その事に渋々ながらも、ロマーリオと俺は承諾した
恭弥も無言でいるってことは、承諾したのだろう

その承諾の言葉を聞くと、唯は先程の事で疲れたのか眠ってしまうように意識を手放した

そんな唯を見て本当に少し成長して
今の俺やツナ達にとって大切で必要だった存在の唯と何も変わらないんだなと思った

成長しても、何か秘密を隠していたり
自分より他人を気づかったり………

そんな唯だから気に入っているんだろうな……
…俺もツナ達も
恭弥でさえ、かなり気に入っていたしな………

と考えながら俺は思わず苦笑いをし、
地面で気を失っている唯を抱き上げた

さーて………アジトに連れて帰るかな
本当はこんなことが起きなかったら
恭弥の相手の後、デートでもしたかったんだが……
まぁ、しかたねーか………

「恭弥、後は明日な!
俺は唯をアジトに連れて帰るからさ」

「……」
俺は、恭弥に対しそう言うと、恭弥は無言で
トンファーを一振りしてその場から去っていった

並盛中学校にでも行くのだろう
アジトに戻ったら、草壁に話しとかねーとな
と思いながら俺は唯を抱え、ロマーリオとボンゴレアジトに戻った



久しぶりに会った唯は過去の方の唯だったけど
まだ、この気持ちは変わらなかったことに

俺は改めて気づいた

それは、多分この時代のツナ達もなんだろうなと思ってしまった……






[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!