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異世界の姫君
本当の敵






チェルベッロの女二人を撃ったのはなんと
彼女らの上司、入江正一だった

「悪く思わないでくれ
少し眠ってもらうだけだ………」
「「「「「「!!」」」」」」
「はぁ〜…暑い…もうクタクタだ…………
一時はどうなるかと思ったよ…
沢田綱吉君と仲間のみなさん
あ…キンチョーがとけて…ヒザが笑ってる………
ふぅ〜…よくここまで来たね
君達を待っていたんだ………僕は君達の味方だよ…」
入江正一はふらふらになりながらその場に座り込み
綱吉達を見ながら驚きの言葉を言った
「!!オレ達の味方だって!?」

「う…うん、そうなんだ……

普段、僕の行動は部下と監視カメラによって24時間白蘭サンにつつぬけになってたけど、君達が全てをメチャクチャにしてくれたおかげでやっとこうしてミルフィオーレでの立場を気にせずに話せるよ…

はぁ〜ずっとこの時を待ってたんだよ……
この基地でのこの状況での出会い方こそが僕らの設定したゴールだったんだから」

「!?ゴール……?」
「な…何言ってやがる!!」
「ミルフィオーレがボンゴレリングを奪うために君達をこの時代に連れてきたのは事実だが、
君達がこの時代に来てから僕を標的にして、ここに乗り込むようにさせたのは、僕がミルフィオーレに秘密で仕組んだ計画だったんだ

君達を鍛えて強くなってもらうためにね」
「「「「「「!!!!!!」」」」」」
「たくさんひどいことをして…本当にゴメン…
でも、これから来る戦いに備え短時間に飛躍的な成長をしてもらうにはこの方法しかなかったんだ!!」
「…………?」
「これから来る戦い……?」
それがどの意味か分からない綱吉
リボーンもまだ話が掴めないらしい
「そうだ!!君達の本当の敵は僕じゃない」
「ふざけんな!!作り話に決まってるぜ!!
てめーがやばくなってきたんで、オレ達を丸め込もうってんだな!!」
よく分からない言葉に流石に獄寺はキレ、入江に向かい怒鳴る
それに続いて他のものも怒鳴り出した
「獄寺の言う通りだ!!」
「そんな話信じられるか!!」
「ま…待って!考えてみてくれよ!!
君達殺そうと思えばもっと早く殺せたさ!!
いくらミルフィオーレが油断していたとしても天と地ほどの戦力差だ
君達をいっぺんにじゃなく何人かずつこの時代の君達と入れ替えたのも、この時代の君達に過去の君達を導いてもらうためだ
この基地に来てからも僕はもっと早く基地を動かして君達を捕えることもできた
だが、それでは君達が経験を積むことができないからワザとモタついて遅らせたんだ!!
それだけじゃない
守護者ではないイーピン、笹川京子、三浦ハルまでを過去からこの時代に連れてきたのはなぜだかわかるかい?人は守るものがあると強くなれる
そのために必要だと判断したんだ」
ダッ!!
綱吉は突然走りだし、入江につかみかかった
「そんな…そんな理由で!!
もしも京子ちゃん達に何かあったらどーするんだ!!
京子ちゃん達だけじゃない!!
鍛えられる前に山本や獄寺君やラル…みんなこの戦闘で死んでいたかもしれないんだぞ!!」
「……………その場合は…それで仕方ないんだよ…」
綱吉は叫びそう言った
しかし、入江から帰ってきた言葉は残酷な言い方だった
「!」
「んだと!」
「…そんな」
「うう〜ん…………
僕だって一生懸命やってるよ!!
予想外のこととか起きて大変だったんだぞ!!
これは君達が思っているほど小さな問題じゃないんだ!!それに、この計画はこの時代の君の意思でもあるんだ、綱吉君!!」
「!!俺の…………!?」
「この計画は絶対バレないように、僕と10年後の君と10年後の雲雀恭弥の3人だけの秘密だったんだ
10年後の雲雀君がこちらの奇襲を予想できたのもそのためなんだ」
「なんと……」
草壁も知らなかったらしく、驚きを隠せないでいた
入江はなおも話を続ける
「そして10年後の君は関係ない仲間を巻き込むことには最後まで躊躇していたが、最終的には過去の自分達の成長に必要だと了承したんだ」
綱吉は自分が決断して、友達を巻き込んだことに混乱するばかりだった
「そっ……そんなぁ……オ…オレが……?」
ラルミルチはこの時代の沢田綱吉を知っていた
だから、あり得ないと否定した
獄寺も自分のボスがそんなことをするとは思わないので否定の意をとなえた
それに対し入江は頭をかきながら、
「あ〜も〜それぐらいヤバイ状況ってことでしょ!?話の流れで察してくれよ!!」
それを見ていたスパナは思わず笑っていた
プッ「……………正一の…逆ギレ」

「全てを賭けてこの事態に対処しないと君達も君達の仲間も全滅しちゃうんだって!!
それどころかもっと多くの人々の…ヘタすれば人類の危機なんだぞ!!」
「人類の………危機…?」
「それと、これから来るっていう戦いが関係してるんだな?」
リボーンが入江に向け問う
それに綱吉はリボーンを見た
「オレは信じてやってもいいと思ってるぞ
オレが感じていた疑問の答えとしては、今んとこつじつまが合ってるからな」
リボーンの信じる発言に周りはおどろいた
それに対し入江はお礼を言いながら本当の敵は白蘭サンだと言った
そんななか、綱吉はやっぱりと思った
自分でもそう思った自分に驚いていた
「白蘭サンは73を集め、この世界を自分のものにするためには手段を選ばない…そういう人だ…
彼はこの意思を73ポリシーと名付けた…
そして、それが達成されれば今の比じゃない地獄絵図を見ることになる……
自分の思い通りにならない人間、集団、国までも抹殺するだろう………」
ショッキングな発言に一同は無言になってしまう
そんななか、一人だけ口を開いた
「だとすると1つわかんねーな、何で今まで白蘭に手をかしてきたんだ?」
「ん?」
「おまえが10年バズーカでボンゴレリングをこの時代に運ばなければ奴の目的は達成されないはずだ
そうすれば最終的に犠牲者は少なく済んだかもしんねーぞ」
「……うん……一時的にはね
でも僕の手などかりなくても彼はいずれ君達を未来に連れてくる…
それに僕がこのやり方にこだわった理由は他にもある
彼を止められるのはこの時代だけなんだ
今この時代に倒すしか白蘭サンの能力を封じる手はない!!
「能力!?」
説明すると長くなるが………ん?
あっ忘れてた!!」
入江は何かを思い出したらしく、リボーンに向かい基地に連絡が来ているか聞いた
リボーンはすぐにないぞと答えた
それにまだか…と言った入江は崩れ落ちるようにまた床に座り込んだ
なんだと綱吉達が聞くとイタリアの主力線の攻撃成功でこれからの戦いが左右されるらしい
そんなときふと、綱吉は床に倒れている唯に駆け寄った
話してて気づかなかったがいつのまにか誰かがっていうよりスパナが
唯の手当てをしていたようだった
血まみれで見ていられなかったのだろう

いまだに唯は眠っていた
綱吉は唯を見ながらさっきの話しに矛盾があったことに気がついた

「あの…入江さん
京子ちゃん達が何故この時代に来てしまったのかはわかったんですが、さっきの話しになんで唯ちゃんは出てこなかったんですか?」




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あきゅろす。
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