異世界の姫君
動き出した人達
起きたら、雲雀さんは戦っていた
朝方何かの音でまた目を覚ました
あの猫さんのひっかく音ではなく
警報みたいな音
しかも向こう側のアジトからその音はする
気になったので向こう側にはいけないけど
向こう側と此方側の境目の扉の前まで来た
向こう側に何がおこっているのか知りたくて
耳を扉にあて向こう側の会話を聞こうとする
目を閉じれば私の聴覚は研ぎ澄まされ
2㌔㍍以内ならどんなに小さな声でも聞こえるようになる
これは、クロス元帥が私に特訓をしてくれたから
出来るようになったこと…
アレンも一緒にしたんだけど
なんでかアレンは出来なかったんだよね……；
(「ヒバリさんが！？」)
あ、綱吉さんの声が聞こえる……
(「敵は大勢いるんでしょ？一人じゃ、無理だ！！
オレ達も行かなきゃ！！」)
え……どういうこと！？
雲雀さん今戦ってるの？しかも一人で……？
「(ならん！！それではヒバリが体をはる意味がなくなる！！)」
「(え！？）」
「(集中した敵の兵力を
雲雀が一手に引き受けることで地上と敵のアジトの戦力が手薄になるんだ
雲雀の行動に報いたければ
殴り込みを成功させろ」)
通信機かな
…リボーンさんの声がする
(「地上監視ポイントより信号確認！！
コースクリア、10代目！！
今ならそのままFハッチよりルート312で敵アジトへつっ切れます！！」)
(「ぐっ…」）
(「お前は雲雀の強さを知ってるだろ？ツナ」)
(「…わかった…
開けてくれジャンニーニ！！」)
「(了解！！Fハッチ開口！！」)
知らない人が言って
綱吉さん達は敵を倒しに行った
私は昨日綱吉さんに会ったのに
今日のこと何もしらなかった……
皆さんもう戦ってるのに私は何もできないの？
私がまだ弱いから……？
ずっとずっとこのために綱吉さんは
あんなにも戦闘力をあげていたんだ……
私も皆さんの為に戦いたいのに…！！！
……とにかく、今はどうするべきか
草壁さんを探して動きやすい服を借りなきゃな
私起きたばっかだから寝巻きのままだ
これじゃぁ動きにくい…
刀なんて振り回せない……
うん！早く草壁さんを探さないと！
私はそう決意すると廊下を戻り草壁さんが居そうな
キッチンや広間に駆け足で向かった
急がないと皆さんの役にたてなくなる！！
ーーーーガラッ
きれいにしてあるキッチンと言うより厨房の
扉をいきよいよく開け中に目的の草壁さんが居ないか探す
「…草壁さん…いない…；」
次っ！と扉を閉め広間の方に向かう
ーーーﾀｯﾀｯﾀ… ーーーーガラｯｯ！！！
「草壁さん！」
名前を呼びながら広間の扉を
先程同様いきよいよく開けたが、此処にも目的の人物はいなかった
心当たりはもうない
草壁さんの部屋さえ分からない…
何時もは雲雀さんが呼んでくれるので
部屋にわざわざ行くことがなかったのだ
どうしよう…着替えられない
雲雀さんが何処で戦ってるのかも分からないから
草壁さんなら知ってると思って聞こうと思ってたのに本当にどうしよう……；
考えても仕方ないので、
いったん部屋に戻ることにした…
ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ周りをｷｮﾛｷｮﾛしながら
何処かに草壁さんは居ないだろうかと探しながら部屋に戻る
部屋に戻る途中にも草壁さんはどこにもいなかった
草壁さん～いったいぜんたい
貴方は何処にいるんですかーー…；
これからどうするか考えながら
部屋の近くまで戻ってきていたら
ふと声をかけられた
「唯さん！！」
その声はずっと探していた人物で……
「…！草壁さん！！」
急いで草壁さんに駆け寄る
そして、
「草壁さんお願いがあるんですよ！
服を…動きやすい戦闘用の服を貸してください！！
後雲雀さんが何処で戦ってるのかも教えてください！」
私がそう言ったら草壁さんは驚いた顔をして…
「！！どうして戦闘用の服が必要なんですか!?」
「 私も…私も皆さんの役にたちたいんです！！
皆さん戦っているんですよね！？
私だけが安全に居るなんて
そんなの私が嫌なんです！！」
「何処で沢田さん達や雲雀が戦ってるって
知ったんですか……？」
草壁さんは真剣な顔で私に聞いてきた
私はその質問に慌てて答えた
「…あ、ご、ごめんなさい…！
その…向こう側に行く扉の所で聞いたんです…」
「(！！向こう側の主に使われている所は
ここから400㍍程先の筈なのに…
一体どうやって…
普通に立っているだけ、ましてや壁に耳をあてても
厚い壁、かなりの距離の会話
それを聞こえたとは……
……やはり…この時代の沢田さんや恭さんが
言った通りの人だ…)
分かりました…服はすぐに用意します」
「あ、ありがとうございます！草壁さん！！」
草壁さんはそういうと
私はここで待ってるよう言われ
何処かに行ってしまった
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