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…3。




「!?」

「いや、こちらこそコウジ君にはお世話になってます。」


困惑する俺をよそに、深々とお辞儀を返すのは、天然のカイリだ。


それに倣って会釈だけで返すアオイと、睨まれた事に戸惑っている風のヨシキ。


明らかに形式だけの挨拶を終え、当たり前のように部屋へ上がってきたケンジを、俺はどうしていいのかわからないまま、ただ目で追い掛けるしか出来なかった。


「な…、んか、俺怒らせちゃった?」


そんな事ないよ。
と言いたかったが、明らかに怒ってるよな、アレは。


「礼儀正しい弟さんだね。」

天然カイリは、放置で決まりだ。

その隣のアオイは、何かを察したのか意地の悪い笑みを浮かべていたが見なかった事にして、既に部屋の隅に鞄を置いて座り込むケンジに声を掛けた。


「オイ、ケンジ?」


…なんなんだよ。マジで状況が掴めないんだけど。



いや、多少予想はついているのだが、認めたくないというのが本音だ。



だって…この荷物。だろ?

どう考えても、“ちょっと遊びに来ました”って感じじゃない。


俺の鼓動が嫌な予感をうるさいくらいに警告している。


そんな中、ケンジは携帯電話を開いて
…って、俺のじゃん!


何故かいじり出した携帯電話を取り上げようと、ケンジに近付いた時だった。






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あきゅろす。
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