…15。
しかし、こんなんで大丈夫だろうか。
みんなが帰った後、二人きりになった部屋を考えると冷や汗が出そうだ。
チラリとケンジを見ると、手渡された缶ジュースをグイッと口に流し込むところで、飲み込む度に上下する喉仏とほんのり赤い頬に胸の中かざわつくのを感じた。
よほど喉が乾いていたのか、どんどん傾いていく飲み口に濡れる唇。
モヤモヤというよりムラムラに近い感情が湧いてきて、
…くそ、これじゃ本当に変態みたいだ。
「いい飲みっぷり!
なんだよ、イケる口じゃん。」
ふと、同じくケンジを見ていたヨシキが叩いた軽口に首を捻った。
…飲みっぷり?イケる口?
嫌な予感に缶を見ると、
おかしいな、変なマークが見える。
見た目は殆ど缶ジュースだが、端の方に不吉なマークが無かったか?
丸の中にデカデカと書かれた二文字は…“お酒”?
「っ、馬鹿ヨシキ!何飲ませてんだ!」
立ち上がって缶を引ったくったが、もう随分軽くなっている。
「…は?」
突然飲んでいたものを取り上げられて驚いたケンジは、何が起こってるかわからないって顔をしてて、
「コイツは未成年なの!図体はデカいけどまだ十五!酒なんか飲ませんじゃねぇ!」
「あれ?誕生日まだなの?いつ?」
「…ああ、今月の30日。」
「話を聞け!!」
…まったく、俺の話をスルーすな。
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