…14。
「…ふふ。」
後ろから抱き締められる格好で、二人では狭く感じる湯船に身を沈めていると、ふいに耳元で起こった小さな笑いに首を傾げた。
「…なに?」
ガラガラで普段とはかけら離れた声で訊ねたが、「別に?」と楽しそうに返されてしまっては気になって仕方ない。
「…なんだよ。気になる。」
「何でもない。只の思い出し笑いだから。」
「?」
上半身を捻る形でケンジを見ると、これでもかってくらい楽しそうに笑ってて。
何となく面白くなくて眉を顰めると、近付いてきたケンジが鼻を合わせるように、ちょんとくっ付けてきた。
「掻き出す時のコウジも可愛かったなぁって。」
「っ、」
「真っ赤な顔で恥ずかしそうに目とか瞑っちゃってさ。」
かぁぁと熱くなる顔に顔を背けると、後ろからギュッと抱き締められて全身が一気に熱くなった。
「また、したくなっちゃった。」
丁度お尻の辺りで固くなったものを感じてどうすればいいかわからなくなる。
「俺も」なんて答えたかったが、正直もう身体がキツくて無理だ。
勿論それをわかってるから、ケンジもそれ以上は何も言わずに、首筋や背中に小さく唇を落としていく。
気持ち良いけど、流石に俺は勃ちそうにない。
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