…9*。
触る度にピクリと身体が揺れ、いつの間にか首筋に移動した唇と温かい舌に身震いして。
痕を残さないように軽く吸われるのが、どうしようもなくもどかしい。
熱で潤んだ目でケンジを見つめながら、擦れ合うペニスをまとめて握った。
「…はっ…」
「…ぁ…ァ…」
粘度の高い先走りと共に扱くと、微かにケンジも息を漏らしていく。
どんどん溢れてくる二人の先走りが手の中で混ざって。
手のひらで先端を撫でる度にピクピクと脈を打つ。
いつの間に取り出したのか、トロリとしたローションで手のひらを汚したケンジがシワを撫でながら後穴に指を差し入れた。
「…ふぁ…ぁ、ん…」
暫く使っていなかったそこは、キツく蕾を閉じていて、指一本でも圧迫感が凄い。
「…キツい?」
労るような声がして、知らず知らずにキツく瞑っていた目を開けると、熱っぽい眼差しで俺を見つめるケンジがいた。
「…だいじょ…、ぶ…」
だって嬉しいんだ。
初めてではないが、
また、ケンジとこうしていられる奇跡が嬉しくて涙が出そうだった。
あのまま忘れていたら、結局はこうなる運命だった気がする。
けどそれはずっと先の話で、少なくとも今ではなかっただろう。
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