…12*。
吐ききった所為でうまく吸えない息が苦しくて、思わず肺いっぱいに吸い込むと、同時に口を塞がれ舌をなぶられた。
「ハ、ぁ…ふ…」
飲み込めない唾液が、糸を引きながら伝い落ちていくのを感じながら、あまりの気持ち良さに無意識にきゅうぅと中を締め付けてしまい、口の中でケンジが小さな息を漏らした。
「…出ちゃうよ。」
拗ねたような抗議が可愛くて微笑むと、仕返しとばかりに動き出したケンジに甘い声を上げながらのけぞった。
「あ、…ぁっ…んん…ふ…」
深く突き上げられる度、ダイレクトに耳に当たるケンジの吐息でブルリと震えると、悪戯っぽく笑ったケンジが耳元で囁いてくる。
「…っ、…コウジの中、あったかい…」
「んっ」
「…ほら、キュッて締め付けてくる…」
言われなくてもそんな事わかってる。
締め付ける度に小さく揺らされ、また締め付けるという悪循環とも言える快楽を味わいながら、その度に嬉しそうに微笑むケンジを潤んだ目で見つめた。
その顔はほんのりと赤らんで、うっすらと汗をかきながら気持ち良そうに熱い息を漏らす。
多分自分も同じような顔をしているんだろう。
目が、視線が甘くとろけるように絡んで…
ああ、愛おしいなって。
幸せだなって。
胸の中が温かいもので埋まっていくみたいだ。
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