…11*。
「ふふ。」
若いなぁ、なんて思わず笑ってしまった俺にバツの悪そうな表情を作ったケンジは、「笑うな」なんてちょっと照れくさそうだ。
「…まだ全然足りない…」
呟くように耳元で囁かれ、内心「俺だって」と返しながら背中に手を回すと、
「ケンジ…」
誘うように名前を呼んだ。
ゆっくりと抜かれた指が、くちゅり、と小さな音を立てる。
直ぐにコンドームを取り出したケンジの手をやんわりと制すると、
「…そのままで…じゃ、ダメ?」
生での行為は身体に負担をかける事はわかってる。
しかも血縁というのが、なんとなくだが生での行為を妨げていた。
でも…、
「…ワガママだってわかってるけど…」
次の約束なんてない情事に、
少しでも深くケンジを感じていたいんだ。
優しい眼差しが俺に向けられた。
そのまま近付いてきた双眸を、口付けられる瞬間までしっかりと見つめて。
少しだけ照れくさそうな表情を作ったケンジが、小さな声で「ズルいな」と呟いた。
ヌルリとした先端を後穴にあてがう。
さっき出したばかりの精子とローションで濡れた蕾に、少しずつ先端が埋まっていくのを息を吐きながら待ちわびて、
小さく出し入れしながら少しずつ挿入されるのに、圧迫感と僅かな痛み、それからどうしようもないくらいの快感を味わった。
「あァっ、…!!」
前立腺を掠めたところで一気に差し込まれ、息を吐いていた所為で掠れた声を上げた。
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