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…11。




「教えて。」


知りたい。
だって、このままじゃ納得できない。

例えば、嫌いになったとか、面倒になったとか、そういう理由ならまだいい。
けど、忘れた、しかも俺が一方的に。
そんなの最悪過ぎる。


忘れてしまった記憶が戻らないなら、せめてそうなった理由くらい知っておきたい。
少しでも、近付きたいんだ。



「……。」


暫く沈黙が続き、静まり返った部屋に洗面所の水音だけが響いていた。


…早く。
ケンジがくる前に。


縋るようにヨシキを見るとすぐに視線を逸らされ、苦虫を噛み潰したような気分に陥ったが、横から聞こえてきた声に顔を向けると、目が合ったアオイは無表情で呟いた。



「知りたい?」
「……。」


「そんなに知りたい?」
「…知りたい。」
「アオイ!」


言うな!とアオイを睨むヨシキを一瞥してアオイに身体を向け、真剣な顔をする。



「忘れたのは心がそう願ったから。聞いたら後悔するかもしれないよ?」
「それでもいい。」


「知ったら、自分だけじゃない。ケンジくんや両親も傷付くかもしれないよ?」
「っ、」


「両親」の言葉に一瞬言葉を詰まらせたが、
…それでも、


「俺とケンジはさ、半分しか血が繋がってないんだよ。母親が違う。
…けど、それをはっきりと教えられた事なんか無くってさ。」



それは周りの態度からも明らかな事で、言われなくても幼い頃から気付いていたし、自分から両親に尋ねた事もなかった。





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あきゅろす。
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