…6。
「退院おめでとー!」
ドアの前に立っていたのは、ヨシキ達だった。
なんで?なんて驚きながら、そう言えば帰りの車内でメールした事を思い出すと、
「…何しにきたの?」
いや、物凄く助かったけどさ。
「ほら!カイリがウザイから怒られただろ。」
「え!?俺の所為?」
「カイリの所為。全部お前がウザイ所為。」
軽いノリのやりとりを聞いて肩の力が抜けた気がした。
「はいはい。とりあえず上がるぞ。退院祝い持ってきた。」
二人のやりとりに溜め息を吐いて、当たり前のように靴を脱ぐヨシキは、ケンジの姿を見つけると「よっ」と小さく手を挙げた。
「……ども。」
そのままの体勢で座っていたケンジは、微妙な表情で挨拶を返して。
「じゃあ、飲もうぜ。」
…じゃあってなんだ。じゃあって。
退院祝いとは名ばかりの多量の酒とつまみ類。
「はぁ!?昼間っから飲むつもりかよ。」
「お前、退院祝いなんだから飲むに決まってんだろ?…何、それとも貰うだけ貰って飲ませない魂胆か…。」
「いや、どんだけ性格悪いんだよ俺。」
俺が言いたいのは、病み上がりに飲み会を開こうという非常識な考えと、昼間っから飲む気満々なお前ら行動についてだ。
…いや、正直ケンジと二人っきりでどうすればいいかわからなかったが、俺的には今の状況も結構キツい。
気が付くとアオイとカイリもさっさと座り込んでて、慣れた手付きでテーブルの上に酒やつまみを並べていた。
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