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…8。




「…お前」
「やっぱ駄目だね。誤魔化せなかったわ。
…俺ブラコンだからさ、ヤキモチ焼いて、…兄貴に彼氏とか嫌で…邪魔しようとした!ごめん。」


ヨシキが何か言いたげだったが、深々と頭を下げたケンジを見て口を噤んだ。


…ヤキモチ?ケンジが?



じわりと胸の奥が熱を持って、痺れてく気がする。
いつかも感じたこれは…?


ヨシキと恋人同士って聞いても感じる事がなかった感覚に胸のあたりで拳を握ると、


「ケン、」
「いいのか?」

「……」
「後から返してって泣きついても返してやんねぇぞ。」


ヨシキが怒気の含んだ声でケンジを睨んでいる。



「別に…」
「わかってんのか?恋人っていうのは、キスだけじゃねぇ。コウジが、俺とヤるんだぜ?」

「なっ!」
「…っ、」


…や、ヤるって!


ヨシキからこぼれた直接的な言葉に思わず赤面すると、うっかり想像してしまった俺はどうにも固まらないイメージとヨシキらしくない様子にプチパニック状態だ。


「なあ…」
「………………弟が、口出すのは、おかしいだろ…?」


「ちょっと、」
「お前やっぱりお子様だな。デカいのは図体だけかよ。」
「なんとでも言え…」

「おいおーい…」



…駄目だ。全然聞いてない。
俺って当事者じゃねえの?
なんでこんな疎外感味わってんの?





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