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…20**。




俺の上で女が揺れてる。

それを俺はどうする事も出来なくて、ただ泣きながら行為を受け続けた。


自分の意志とは無関係な硬度を保つ下半身は、足に打ったという注射の所為か麻痺して感覚もない。
どんなに女が快楽に揺れていても達する事がないのが唯一の救いだった。


ぶつけた頭と後ろ手に縛られた腕が女の体重で揺れる度に酷く痛んで、せめて意識を失う事が出来たらと叶わぬ願望に嘲笑った。



…早く戻ってくればいいのに。


あの男が戻ってきたら、これよりもっと酷い事になるかもしれない。
でも、これに比べたらきっとずっといい。


急速に冷めていく心に涙は乾き、世界が終わればいいと思った。



「ただい…ま?」

そんな時だ。
男が帰ってきたのは。


玄関を開けてすぐに聞こえた嬌声に変な声を出し、凄い足音を立てて近付いてくる。


勢い良くドアを開け放ち、俺に乗った女を見ると、途端に顔色を変えて女を引き剥がした。



「何してるんだっ!」


理不尽に俺に向けられると思っていた言葉は、意外にも女に向けられた。


「何ってセックスじゃない。」


当たり前でしょ?と言わんばかりの女の言動に、目をつり上げ女を平手打ちしたおじさんを見た。

身体が吹っ飛んだと思うほど頬を強く打たれ驚きに目を剥く女は、次に鋭い視線でおじさんを睨み付け、


「…お前は何の為に子供に会いたいと言ったんだ?こうやってセックスする為か?」

泣きそうな声で、握られた拳は白く色を変えていた。




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あきゅろす。
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