…11。
…俺はこれからどうなるんだろう。
これは犯罪だ。
解放したら警察に通報されてもおかしくない状況で、これから待ち受けているであろう事は嫌な想像にしかならない。
名前も知らない、ほとんど会った事すらない筈なのに、俺の存在はそんなに不快なものなんだろうか。
理不尽過ぎる状況に鼻の奥がツンとして強く唇を噛み締めていると、突然ドアの開く音がして、甘ったるい女の声が聞こえてきた。
「…なぁに?プレゼントって。」
「凄くイイモノだよ。」
女の声に聞き覚えはない。
でも、クスクス笑いで答えるのは聞き覚えのある男の声だ。
さっきまでの会話も全部、演技だったと思わせるほど印象の違う声は、俺を気絶させたおじさんのもので、感じからすると女はおじさんの彼女か何かだろう。
それより、
…プレゼント?
俺の予想が正しければ、それは俺になる。
でも、拘束した人間をプレゼントなんてされて喜ぶ人間なんて、狂ってるとしか思えない。
…狂ってる?
途端にガタガタと震えだした。
…怖い!
物音に気付いた女が、「何?」と怪訝な声を出した。
「開けてみて?」
恐怖しか感じない優しい声に肩を揺らして、
カタン…
目の前で何かが開く音がした。
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