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…17**。
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目が覚めた俺が見たのは、信じられない光景だった。


「んっ、ぁ…」


くぐもった声を上げて、俺の上で腰を振る女…、



「っ、うわぁぁ!!」


必死で振り払い何とか抜け出すと、身体を丸めて身を守った。

ヌルヌルとした感覚が下半身にして、うまく回らない頭でこの悪夢から覚める事を必死に願って。



「痛いわね…。怪我したらどうしてくれるのよ。」

振り払われた事に当然のように抗議する女は、一体何を考えているんだろう。

ベッドの上で、いつの間にされたのか全裸の俺は、気が狂ってるとしか思えない実母の奇行に眩暈がした。



「…汚い…」

ガムテープの剥がされた口でやっと絞り出すと、自分から気持ちの悪い女の香水の匂いが漂っている気さえする。

指先までぐるぐるにガムテープの巻かれた手の代わりに肩で口を擦ると、べったりと付いた口紅に激しく咳き込んで、その場で嘔吐を繰り返した。


気持ち悪い。
信じられない。

実の息子だ。
しかも自分と同じ顔の。



意識のない間、自分が何をされていたのか考えると死にたくなる。

女は、「残念」なんてニヤニヤと笑いながら裸のまま煙草に火をつけると、その銘柄が自分と同じで、それすら嫌悪の対象となった。


「…睨んじゃって、可愛い。」

「…信じ、られない…」


嘔吐物と涙で汚れた顔で睨み付けると、「怖ーい」なんて笑っている。


こんな狂った人間が自分の実母かと思うと、今まで受けてきた仕打ちが当たり前のものだったんじゃないかと思うから不思議だ。


悔しくて泣きたくて、でも泣きたくなくて、必死に唇を噛んで口の中に広がる鉄臭さと酸っぱさを味わった。






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あきゅろす。
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