…11*。
甘い香りを含んだそれはそんなに美味しいものではなかったが、それでもケンジの唾液に混じると美味しく感じるから不思議だ。
ペニスを撫でた指先が、ローションを伸ばしながら胸元まで上がり、そのまま乳首を掠って背中を撫で下ろしていく。
ひとつひとつの動作にピクンッと反応を示す俺を笑いながら、腰を通って下がった手が、後ろの穴でピタリと止まった。
「んん!?」
…にゅる
「…ひゃぁ、…は…やぁっ、」
ケンジの指が後孔を撫で、軽く押して離れて触れる。
形を確かめるように撫で回され、皺の隙間にローションを馴染ませられて。
「…入れていい?」
少しだけ離れた口が、そう紡いだ。
一瞬、何を?と聞き返そうになり、当たったままの指に行き当たって息を飲むと、
「はぁー…。」
早い心臓を落ち着かせる為、深呼吸をしてケンジを見つめた。
「…い、痛くしないで…ね…?」
…ああ、何言ってんだろ俺。
たぶん顔が真っ赤だ。
俺の言葉にクスリと笑い、「うん」と小さく頷いたケンジは、俺の足を担ぐように肩に乗せるとまたキスをして、濡れた指をゆっくりと侵入させてきた。
「んっっ、」
いくらローションの力を借りてもなかなかキツいものだ。
指一本を驚くくらいゆっくりと入れられ、それでも違和感と圧迫感がハンパない。
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