…4。
「アオイさんとカイリくん。」
「っ、…そう。」
その中にヨシキの名前がない事に安堵して、悲しくなった。
…もう、戻れないんだろうな。
みんなで連んで麻雀したり飲み会したり。
その中にいない自分かヨシキを想像すると胃の辺りがキリリと痛むよ。
「へへ。アオイさんにいいもの貰っちゃった。」
俺を見たまま微笑むケンジは、そんな俺に気付いてないのか嬉しそうで。
「…何、貰ったの?」
聞いてみたら、「秘密。」と返された。
…なんだよ、気になるじゃないか。
「あとのお楽しみ。」
「今教えてくれたっていいだろ?」
もったいぶるケンジに苦笑いして、「教えろよ」なんて袖を引っ張ると、
「あと、ヨシキさんも来てくれた。」
「…っ」
やっと落ち着いてきた心臓が早鐘を打ち始める。
掴んだ袖を放して目をそらし、
これじゃ、「何かありました」って言ってるのと同じだと取り繕って。
「…へぇ?あとでみんなにお礼しなきゃだな。」
「…ん。」
明らかに誤魔化しきれてない俺に、何も言わないのはなんでだろう。
もうこれ以上は言葉を発する事も出来なくて、アパートまでの道のりをずっと窓の外を眺めて過ごしたんだ。
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