…6。 「…俺が入院して、母さんに会って、一人で考えて泣いて。…やっぱり、止める?もう止めたい?」 募っていく罪悪感と、泣いていた事までバレバレで、俺の方がケンジを不安にさせてたんだと苦しくなる。 …罪悪感はある。 正直、ヨシキだって気になる。 でも、それはそれだけケンジが好きだからで。 気になるのだって、友達だからだ。 「…俺はコウジが好きだよ、凄く好き。愛してる。」 「……」 「だから、コウジがそんなに辛いなら、弟に…」 そこから先は聞きたくなかった。 だからケンジの唇を塞いで言葉を飲み込んで、そのまま押し倒したんだ。 「コウジ…」 子供みたいに首を振って、何度も何度も口付けた。 ここが玄関先だとか、鍵すらかかってない事だって、今はそんなのどうでもいい。 例え、愛を囁く言葉が今だけの気まぐれだったとしても。 まだ16にもなってない、幼さが残る不安定で不確かな物だったとしても。 「…好き。俺だって、ケンジが好きだよ。」 「……」 「凄く凄く大好き。ケンジとなら、傷付いたっていい…」 恥ずかしいくらいの告白に、ケンジの目が色づいたのがわかった。 ゆっくりと起き上がり背を向けた俺が、鍵を掛けるのを確認すると、 「抱いていい?」 後ろが抱き付いてきたケンジの言葉に、小さく、でもはっきりと頷いたんだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |