…12*。
「ハッ、ハッ、…」
必死に息を吐いてはみたが、それでも無意識に力が入って。
「…もうちょっと…ローションつけるね?」
蓋の開いたローションを上からたっぷりと垂らした。
…にゅる、ぐちゅり、
やっと入った長い指が、内側を撫でながらぐるりと回った。
「ふっ、」
まだ気持ち良さは感じなかったが、撫でられる感覚はある。
ゆっくりと動かされ、擦られる度に少しずつだが気持ちよくなっていく気がする。
柔らかくなってきた肉襞を広げながら、二本に増やされた指が広がってふいに何かを掠めた。
「んぁ…?」
なんだか奇妙な感じがした。内側から何かがこみ上げてくるような。
「…ここがイイとこ?」
意味がわからず潤んだ目で見つめると、もう一度そこを撫でられた。
「…アっ、」
皮膚が鳥肌を立て仰け反った俺に口元を緩ませたケンジは、楽しそうにそこばかりを攻めだして。
「んっ、んぁん、はっぁ、」
…ヤバい。
気持ちいい。
とろりと頭の中が溶けていくみたいだ。
「…ケン…、キス、してぇ?」
甘えた声に唇は塞がれ、目を瞑り腕を回す。
息苦しさに顔をずらすと、すぐにケンジの唇が追い掛けてきてまた塞ぐ。
ぐちゅぐちゅと音を立てて出し入れを始めた指が、入る度にそこを掠って…。
…どうしよう。
もっと欲しい。
確かに感じる快感は指だけじゃ物足りない気がする。
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