…8*。
…クリュ…
「んッ、」
指で先端を丸く撫でられ、ちょんちょんと先走り伸ばしては広げていく。
「ちょっ、ケン…、ん、…いじわる、しないで…」
仰け反りながらもどかしい快感の身を捩ると、
「…コウジ、可愛い…」
ちゅっと音を立てて頬にキスを落としたケンジが、ポケットから見慣れないプラスチックの小瓶を取り出した。
「じゃーん」
「?…何それ。」
正直見たことがない。
素直に首を傾げた俺にニヤリと笑うと、
「コレが、アオイさんからのお見舞い。」
そう言って、蓋を開けたケンジは、中の液体を手のひらに落としていく。
…つーか、“アオイ”ってとこが無性に怖いんですけど。
だってアオイは面白いコト大好き。暇つぶしになるなら多少の事は目を瞑っちゃう迷惑な奴だ。
「アオイさんって優しいね?…初めはちょっとムカついたけど。」
「どこが…?」
「だって、わざと俺の前でコウジに近寄ってただろ?」
別にムカついたところを聞いたわけじゃないんだが、面白くなさそうに顔を歪めたケンジに呆れると、
「…アイツはアレが趣味なの。楽しければいいの。
…頼れるけど、あまり踏み込まない方がいいと思うよ。」
過去の事はよく知らない。
でも、今見せてる表情を嘘臭さを感じてるのは俺だけじゃないはずだ。
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