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…2。




『…コウジ。』

カーテンを引いたのを合図に、ケンジに引き寄せられ息をのんだ。


ちゅ。


『!?』


フレンチで離れた唇に安堵して力を抜くと、すぐに、今度は深く重ねてきて…、


『…っ、…、…!』


くちゃくちゃと絡む舌が放つ水音が、やけに大きく聞こえるのは緊張してるからだってわかってる。

それでも舌を吸われ、お互いの唾液が絡み合って、貪るように繰り返される貪欲なキスが本当はバレてるんじゃないかって気が気じゃなかった。


…どうしよう。


『んっ…、』

思わず声が出てビクつくと、楽しそうにもっと深く求めてきて、


『検温の時間ですよー。』

『!?』


近付いてくる看護士の足音にもがくと、本当にカーテンが開けられるギリギリまで離してくれずに泣くかと思った。


『どうしました?』
『なんでもないでーす。』


ご機嫌なケンジを不審にも思わない看護士の笑顔に何度冷や汗をかいたかわからないよ。




「…あれ?なんで怒ってるの?」


隣で睨む俺を見て、笑うケンジの足を思いっきり踏みつけると、

「痛っ!」


…自業自得だ、ばか。




本当、困ってしまう。

付き合い出してすぐの俺達は、呆れる位相手が好きで。
キスだって気持ちいい。
触られるのだって、嬉しくて…。
でも俺は、同じくらい後ろめたい気持ちでいっぱいなんだ。





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