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絶対可憐な版権小説
『バスルーム』葉×真木*



「真木さーん!シャンプー無いよー?」

シャワーの音でかき消されそうな声だったが、多分合っている筈だ。
そういえば、だいぶ少なくなっていた記憶がある。

「シャンプー!シャンプー!!」

…自分で用意すればいいのに、俺はお母さんか、召使いか!

心の中で悪態を付いてはみたものの、しっかりと左手に容器を持って、浴室に向かう自分は我ながら偉いと思う。


ザー…


そして、出しっぱなしのシャワーに水道代の心配をするのは、PANDORAのお財布を握っているのだ、仕方ない事。


「おい。」

いつも言ってるだろう?
と勢い良くバスルームの扉を開けた時だった。



「…わかってるよ。出しっぱなしにするな、だろう?」

言われる事を見越していた、確信犯じみたセリフに舌打ちしたが、すでに状況は葉に傾いている。

「そうすれば、真木さんが入ってくるって、ね。」

持っていたシャンプーがタイルに転がるのを横目で確認しながらも、絡められた指と塞がれた唇の感覚に軽く眩暈を感じていた。


「葉…。」


咎めるような声に小さく肩を竦ませた葉が、すっかりシャワーで体に張り付いたシャツのボタンを外していく。


「だって、シャワー音でかき消さなきゃ、真木さんの声が漏れちゃう。」

耳元で囁かれ、カッと体が熱くなったが、抵抗するより早く脱がされたシャツで両手を拘束されてしまった。

「よ…!」
「しっ。黙って。…じゃないとみんなに聞こえちゃうじゃん?」








「んっ…、はぁ…ハッ…ぁ、」

「真木さん、エロい…」

半笑いで扱かれる下半身は、全身にまんべんなく掛けらたボディソープで泡立てられていた。

「アッ!…ん、」

泡の所為で滑りのよくなった下半身を激しく扱きながら、それとは反してゆっくりと双方から抜き差しされる感覚が狂おしい。
どうしても神経を集中させてしまう秘部を刺激されながら、泡の隙間から出た乳首を摘まれ小さい声を漏らした。


「聞こえちゃうってば。…真木さんてば、そんなに見られたいの?」
「違っ、」

そんなわけない、と言いたかったが、
「ほら…」

すぐに促され、向けた視線の先に鏡に映る俺がいた。

拘束された両手を壁に付き、泡まみれの体からは、ツンと尖った乳首を覗かせ、
もう限界だと言わんばかりに膨張した股間からは、明らかに泡ではない液体がトロトロと床まで糸を引いている。

「はァッ…あ!」

羞恥に息を漏らすと、
後穴に深く埋める葉が小さくハネるのを感じた。「っ、…真木さん締めすぎ、出ちゃうよ…」

興奮してるの?
と耳をかじり、一気に前立腺を擦り上げられ、

「あァ…!…ん、ンッ!…、」

出すまいと思いながらも、今までで一番大きい声に背筋が冷たくなった。

…ヤバい!


「…ねぇ?どうかした?」
案の定、声を不審に思ったのだろう、誰か様子を見にやってきたようだ。

磨り硝子越しに浮かぶシルエットが誰か、なんて関係ない。
とにかくバレないでくれと息を潜ませると、


「…!…っ!…!!」

あろうことか、葉はより動きを早めて後穴を犯し始めた。

「なんでもないよー?何、覗きにきたの?えっち。」
「なっ!違うわよ!」

早く行ってくれと心の中で叫びながら、その様子を観察して葉が怪しく微笑んだ。


「なんなら一緒に入る?」
「!」

きゅぅっと後穴に力が入る。

「入るわけないでしょ、バカ!」


不愉快そうな声を残して出て行くのを確認すると、

「葉、お前…!っ」
「真木さん、本当は見られたかったんじゃないの?凄い締め付け。」
「そ、んなわけ…ァ…んンっ!!」

「だって、真木さんいつもより感じてるでしょ?」


言葉とは裏腹にもう限界だった。

早く深く突かれ、前立腺への刺激と緊張感により敏感になりながら快楽に身を捩ると、

「ン、あっ…ぁ!」
「…っ、イく…!」

俺が射精するとほぼ同時に、奥まで付き上げてから一気に引き抜いた。
ドク、ドクッ、と熱いものが背中に飛び散っていく。


脱力感と解放感、
激しく脈打つ鼓動を背中にかんじながら、酸欠気味だった肺に酸素を送り込んだ。


「…超、良かった。またしようね?お風呂プレ…」
「っ!二度とするかっ、ド変態!!」


言い終わるか否かの瞬間、恒例の炭素パンチの炸裂音がバスルームに木霊するのであった。





end。
2010/1/25 *緒神


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