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絶対可憐な版権小説
『たまにはこんなお遊びを』葉×真木*



今思えば、昨日は少しお酒を飲み過ぎた。


兵部が今日から二、三日家を空けるという事になり、昨夜は勿論そういう流れになった兵部と真木だったが…、


溜め息を吐きながら、自室に入ると鍵を掛けた。


…もう歳かもしれない。

酒の飲み過ぎで半立ちで終わってしまった真木は、不完全燃焼のまま朝を迎えていた。


…おかげ今日は、どうも朝から調子が悪い。妙にイライラしてしまって…。


仕事を手伝おうと話し掛けてくれた葉に、

『余計なお世話だ!』

キツい言葉で八つ当たりしてしまったのはついさっきだ。


『…それもそうっスね。』

瞬間移動で消える直前、笑いかけてくれた葉は、どこか悲し気だった。



一人、ベッドに腰を下ろして、自己嫌悪に頭を抑えると、
そんな事で感情的になってしまう自分に呆れて横になった。


バサ…

真木の体重に空気をはらんだ毛布が舞って、嗅ぎなれた匂いに目を瞑ると、


…馬鹿か、俺は。

少佐の残り香が鼻孔をくすぐって、
今更興奮し出した下半身が憎たらしくて仕方ない。


首元をしっかりと締めるネクタイを緩めると、一つ一つボタンを外す自分は愚かかもしれない。



昨日の少佐は、まず唇にキスをして、
それから耳を甘噛みして、

『真木…』

その口から優しく発せられる自分の名前を思い出して、服の中へと手を滑らせた。


自分での愛撫は何とも虚しいものだ。

それでも難なく勃起するのは、全部慣れてしまった所為…

「…、ん…」

乳首を軽くこねて、声をもらす。



…いつの間にか乳首で感じるようになったのも、思うだけでこんなになってしまう下半身も全部、全部少佐の所為だ…。


自分のベルトをもどかしい気持ちで引き抜いて、窮屈な下半身を解放する為チャックを下ろした。

まるで兵部に脱がされるように、中途半端な位置まで下着を下ろすと、固くなった下半身をしごきだして…。


「はぁ…、はぁ…」

息が荒くなる。

「…少、佐っ…」

声に出したら止まらなくなって、先端から出始めた先走りでさらに興奮して手を上下した。

「んっ…!」


程なくして達したが、
それでもまだ足りなくて…。

欲しいのは下半身の刺激じゃない。
もっと、奥が疼くのだ。

…何かないか?

普段はもちろん、そんな事はしない。
だけど今日は止まりそうにない真木は、ふと、以前兵部が悪ふざけで置いていった玩具の事を思い出した。


見た時は、そんなのは絶対に嫌だと拒否したのだが。


疼く下部を満たす為に、ベッドから起き上がると、閉まったはずの引き出しを漁りだした。


…あった。


現れたのは、大人の玩具といわれる物だ。


長細い本体は、丸い数珠を刺し連ねた形をしていて、付属に何やらリモコンらしい物がついている。

躊躇いながらも手にとると、薄ピンクの玩具に生唾を飲んだ。


…これを使えば戻れなくなる気がする。
でもこのままじゃ、変になりそうなんだ…。


疼く下半身に、無理矢理自分を正当化して、四つん這いになるとゆっくりお尻にあてがった。


「んっ…」

兵部がよくするように、自分の出したもので少しずつ解しながら挿入していく。


「はぁっ…、はぁ、んっ」

やっと半分程入った所で、



「…何してるんスか。」

突然掛けられた声に肩を揺らした。


入り口付近で浮遊しながら、真木を見ているのは葉で、

「な…っ!」
「真木さんのえっち。」

急いで毛布で隠したが、もちろん既に遅過ぎる。

口元は笑っているが、目が笑っていない葉がゆっくりと近付いてきて、目の前でピタッと止まった。


「鍵なんて俺には無駄なのに…。
俺に気付けないくらい、夢中でナニしてたの?」

「違っ…」

耳元で囁かれ、見れば一目瞭然の状態にもかかわらずとっさに否定すると、

「へぇ?…違うんだ。」

毛布を剥ぎ取って微笑んだ。



「…素直じゃないな。」

乱れた格好を舐め回すように見られながら手を伸ばしてきた葉は、まだ入ったままの玩具を掴むと一気に奥へと差し込んだ。


「んんっ!」

グリグリと回転を加えながら楽しそうに出し入れを楽しんでいる葉に、元々疼いて仕方なかった真木はなすがままだ。


「あっ…、はぁ…」

その動きに反応して真木の腰が動き出すのを確認して、


「気持ちいい?」

「んっ、…ああっ!」

声を掛けたが、返事が出来る状態では無さそうだ。


奥の敏感なところを執拗に擦られ、半開きの唇にポタポタと落ちる唾液ごと口付けると、
ビクビクと下半身を揺らして今にもイキそうになる真木に微笑んだ。


ビクンッ!

大きく動いてトロトロと出始めるのを、強く握ることで無理矢理に止められ、


「っ、…葉…」


中途半端で止められた真木が切なそうな声で名前を呼ぶと、辛そうな真木の髪を優しく梳いて囁いた。


「…ごめんね?」
「?」


何に対しての謝罪だったのか。


その意味を理解したのは、葉が完全に真木から離れた後だった。



「“余計なお世話”だもんね?」
「!?」


離れた所に浮いている葉は、さっきの真木が言った言葉を実践する事にしたようだ。

「続きは自分でどうぞ?」


焦らされて息をもらす真木は、

「どうしたの?ほら、自分で動かして。」

羞恥で頬を赤らめて、震える手を後ろに伸ばした。


グイ…グイ、と動かし出したものの、その動きはきごちない。


物足りなさそうに動かしながら、チラチラと視線をなげてくる真木を視姦しながら、

「入れてあげようか?」
「ん…、ァ…」


熱っぽい目でソレを見た真木が、恥ずかしそうに小さく頷く。


「じゃ、まず口でして貰おっか。」


わざわざ目の前に移動してやると、自分から葉のチャックに手を掛けた真木が舌先でソレを舐め出した。


口に含んで、歯を立てないように丁寧に。

一生懸命舌を使って舐めるのは、それだけ欲しいという事だ。


熱い真木の吐息とぺちゃぺちゃと聞こえてくる音に興奮しながら、

「…っ、…昨日、少佐としたんじゃないの?」
思わず聞いてみた。


「何?それとも、とうとうあの人勃たなくなちゃった?」

ふるふると首を振る真木の髪を掴むと、

「こんな玩具使っちゃって。」


置きっぱなしだったリモコンを手に移動させて、そのスイッチを入れた。


ウィイーン…

「あっ!はぁっ…あ…!」

モーター音と共に動き出したのは、真木の中に深く刺さった玩具だ。


無防備な状態でのいきなりの快感に身を捩った真木が思わず口を離して悶え出すと、すかさずネクタイを外して真木の両手を縛り上げた。


「よ、葉っ…!」
「なあに?」


「止めて…っ」

縛られた所為で身動きが取れなくなった手で、ブルブルと震えるソレを引き抜こうと必死にもがいたが、

「あァっ!!」

暴れた所為で更に奥に入ってしまった玩具が前立腺を刺激して前のめりの体勢でイってしまった。


「…っ、…ハァ…あ、」


涙目でそのまま倒れ込んでいる真木に口付けながら、

「…可愛いよ。スッゴく。」
「っ…ふっ…んんっ」

まだ動き続けている玩具をゆっくりと引き抜いた。


「もっと気持ちよくしてあげるね?」


うつ伏せの真木の、まだパックリと空いたそこに自分のモノをあてがって、既に弛んだ体内を深く深く突き上げた。


「だっ…!」

多分“駄目だ”と言いたかったのだろう。


しかしその言葉はすぐに声にならないものに変わっていく。

「…!ァっ、ん、…!」


まだふにゃふにゃの真木の下半身を手のひらで弄びながら、しっかりと締め付けてくる中を激しく突き動かすと、
前立腺の刺激によって勃ち出したモノを扱いてグルリと向きを変えた。

「!」


胸元に舌を這わせ、舌を絡めてキスをして…。


「…真木さんの中、凄くイイ。」
「んっ!」

「熱くって、柔らかくて。」
「はぁ…!」

「ココ?…、当たってるの、わかる?」


恥ずかしそうに顔を寄せてきた真木の耳たぶにかじりつき、

「出すよ?」
「ん、あぁっ、よ、う…!」


名前を呼んだ真木の中に勢いよく吐き出した。








「あははっ!」

真木のベッドに横たわって笑い転げているのは葉だ。

「…うるさい。」

窘めてはみたものの、赤い顔でだるそうにスーツを着込む真木に説得力は無さそうだ。

「だってさぁ。欲求不満で八つ当たりって、真木さんって思春期ぃ?」

「……」


まだそのままの格好で真木の背中に抱きつくと、


「…嫌われたのかと思った。」
「!」

さっきまでの態度とは裏腹に、安心したように小さく呟いた葉の頭を撫でて、


「すまなかった。」

優しい真木の声が響いた。




end。

2009/3/18 *緒神


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