絶対可憐な版権小説
『たまにご奉仕。』葉×真*
『真木さん!』
『!!』
葉の声が届くや否や、目の前まで迫った敵の一撃が飛んできた。
『くっ!』
何とかブロックしたものの、その攻撃は重く、すかさずくらった二撃目に体勢を崩した。
…やばい!
本能的そう思ったが、もう間に合いそうにない。
『真木さんっ!!』
その時近くで声がした。
それが葉だと分かったのは、庇うように抱きすくめられ空間移動を発動した後だった…。
………………………
「…馬鹿だろう。」
ベッドの上に横たわり、折れてしまった足を固定しているのは“馬鹿”と称された葉だ。
「酷いなぁ、真木さんは。」
そんな真木に臆する事もなく、
本当に怪我をしているのかと思うほどいつも通りの葉は、本当は相当痛いだろうに笑っているだけだった。
空間移動で何とか逃げ出した二人だったが、それでも逃げ切れなかったらしい。
葉は真木の代わりに攻撃を受け足を骨折していた。
少佐が来るまでの我慢とベッドに寝かされ、応急処置の為にしっかり足を固定されてはいたが、その姿は痛々しくて…
「…すまない。」
眉間にしわを寄せた真木が謝るのは何度目だろう。
「だから、大丈夫だって。
少佐が帰ってきたら治してもらえるし、
今は痛み止めが効いてるから…ね?」
この台詞も、もう何度目かわからない。
まあ、それだけ反省と心配をしてくれてるんだと内心喜びながら、
それとは別に先程から強くなる欲求に視線を揺らした。
「どうかしたのか?」
どこか落ち着かない様子に気付いたらしい。
「何でもない。」
すぐに否定してみたが、真木を誤魔化せそうにない。
「……したい…」
「え?」
「オシッコ、したいんだよ…」
動けないから我慢していたが、実はそろそろ限界だった。
そんな事かと尿瓶を出す真木に、
「飲んで?」
「…死ぬか?」
冗談に聞こえないボケとツッコミを交わしてみたが、隠れた葉の顔が耳まで赤い事に気付いた真木が小さく笑った。
「終わりか?」
「んー。」
真木に尿瓶を使ってもらいスッキリした葉は、少し残った水滴を真木に拭いてもらっていた。
「…おい。」
「し、しょうがないじゃん。溜まってるんだから。」
焦っているのは、恥ずかしいからだ。
必死に落ち着かせようと葉なりに頑張ってはみたが、拭けば拭くほど元気になっていくソレは、正直もう処理をしなければ収まらない程だ。
「…っ…真木さんの所為だよ。責任、とってよ…。」
言葉とは裏腹に顔が赤いのは、いつものペースが掴めないからで、
少し黙った真木は、
「……今回だけだぞ。」
小さい声を残して、その下半身に顔を近付けた。
「…っ…、」
予想以上にねっとりとした舌の吸いつきに声を漏らし、温かい口内をじっくり味わいながら、
「キモチいーよ、真木さん…」
その後頭部を指先で撫でながらゆっくりと背中まで落とした。
しっかりと丁寧に舐める真木は優等生な舌遣いだ。
下手でもないが、上手でもない。
しかも、たまに止まる舌や熱くなってくる息は…、
「真木さん…」
「……」
「真木さんの、ちょうだい?」
ぴくっと、少し真木が揺れた。
言われなくても見なくても、真木が我慢している事は明らかだ。
「俺だけとか、ヤだよ…」
痛む足を気にしながら上体を起こすと、くわえたままでいる真木の服を脱がせていった。
「動けないんだ、こっちに来て…。」
無言ではあるが素直に露わになる下半身は、予想通りに魅力的な状態で、ゆっくりと跨る真木が艶っぽくて愛しい。唇の代わりに先端にキスをしてから、すでにはちきれそうな真木のソレを口に含んだ。
「……んっ…」
鼻から抜ける吐息と共に、ペチャペチャといやらしい音を立てているのは真木だ。
舐める度に揺れ動くのは先端だけではない。
同時にヒクつくソコに舌を這わせて熱い吐息をかけると、ヒクヒクと動くさまは誘っているかのようだ。
「…入れていい?」
「!」
「ココに、入れたい…。」
舌でほぐして指を入れると、中は熱く柔らかい。
たまにキュッと締まってくるのが真木の限界を葉に知らせていた。
「ほら、早く。」
「…くっ…」
中の指を二本に増やして促すと、その快感に身を捩った真木が小さく「わかった」と呟いた。
抜きとった指を舐める仕草に目を逸らした真木が、動けない葉の代わりに跨った。
「…んっ…、は…」
恥ずかしそうに頬を染めながら、ゆっくりと自分の穴に入れる光景に口元を緩ませ、
「その真木さん、凄くそそるよ…」
「あっ、んっ…、っ…」
もうそれだけでクタクタな真木を下から激しく突き上げて、その所為で思わず洩れてしまった声を必死に押し殺すのは真木なりのプライドだろう。
でもそれは葉には逆効果でしかない事を真木は知らない。
上体を起こしてピンと勃った真木の乳首をかじると、
「は、ァ…っ!」
立てられた歯に我慢出来なくなったようだ。
「色っぽいね…」
たまらず体を浮かせると、浮いた状態で真木を後ろ向きにした。
「っ…よ、う…」
激しく腰を動かしながらの捻りは真木に大きな快楽を与え、
「真木さん…」
背中に舌を這わせながら、いいよとばかりに名前を呼んだ。
「あっ、…んっ!、」
中が小さく震え出す。
それに合わせて下部を擦り、更に奥まで突き上げた。
「で、でるっ…!」
可愛い事にわざわざ教えてくれた真木を抱き締めて、
「あぁっ…!」
出したのを確認してから囁いた。
「まだ、終わらないよ?」
「!」
出した事により感度の上がった下部を擦りあげ、逃げようともがく真木を抑え込んだ。
いきなり強くなった快感にたまらず声をあげたが、もちろん止める気なんてさらさらない。
真木をキツく抱き締め、ヌルヌルになった先端をいじりながら、
「ア、ァ…っ!も、無理っ…」
泣きそうになりながら身をくねらせる真木に追い討ちをかけ続ける。
グリグリと中をかき混ぜると声を我慢する事も忘れて鳴く真木に、
「好きだよ、真木さん…」
聞こえていない事もちゃんと分かってたが、小さく、優しく囁いた…。
「……」
無言で怒りながら、いつものスーツを着直しているのは真木だ。
「そんなに怒んないでよ。悪かった。」
謝罪の言葉とは裏腹にクスクス笑いの葉は、ベッドから浮き出し背中から真木に抱きついた。
その髪に顔を埋めて、愛しさを噛みしめて…。
いっそこのまま心も奪えればいいのに…。
「……葉。」
「ん?」
「お前何してる?」
その言葉に
「キス。」
と答えて、さっきは出来なかった唇へと口付けると、
「そういう事じゃない」
と特に避けもしない真木が言った。
「どうやって抱きついているのか聞いている。」
「もちろん浮いて……あ。」
「…つまり、はじめから浮けばトイレにも行けたという事だな?」
凄く冷静な口調に思えるが、その表情は芳しくない。
やばい雰囲気にゆっくりと後退りした時、それを遮るようにスルッと絡まった髪が硬度を増していく。
「本当、気付かなかっ…」
冷や汗混じりの言い訳は、最後まで言い切る前に止められる事となったのは言うまでもない。
……………………
『オマケ』
「骨折、ね。」
帰ってきた少佐の冷ややかな言葉に苦笑いすると、腫れ上がって頬が痛む。
「まぁ、こんなのすぐに治せなくもないけど…」
どうしようかな
と焦らすのは、100%わざとだ。
「…もうお仕置きもされてるようだし、今回だけは大目に見るよ。」
言葉とは裏腹に、目が全然笑っていない少佐からの更なるお仕置きを覚悟する葉だった。
end。
2009/2/13 *緒神
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