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絶対可憐な版権小説
『jealousy』葉×真*



「葉!」


早足でドアから入ってきたのは、額に青筋を立てた真木さんだった。

「あれぇ?どうしたんだ?」

すっとぼけて言ってやると、『とぼけるな』とばかりに自慢の能力でど突かれた。



「また、少佐に変なことを吹き込んだだろう。」


ロリコン
ジジイ
無能…
全て“真木さんが言ってました”と確かに言った記憶はある。
…さて、どれの事なのか。



殴られた頬をさすりながら思い当たる節があり過ぎて首を傾げると、伏せ目がちに溜め息を吐かれた。



「…(別にいいじゃん。それくらい)…」


小声だったのにも関わらず聞き逃さなかった真木さんは、何を考えているのか突然ネクタイを緩めるとシャツのボタンを外しながら近付いてくる。


「……」


…ムカつく。

その気がないのは分かっているが、服が擦れあう音やあまりにも無防備過ぎる行動に舌打ちした。



「見てみろ!」


少佐にやられたんだ
と腹を見せつけると、
なる程、鍛えられた肉体に数ヶ所の青あざが浮かんでいる。



「…さぁ?」


舐め回すように肢体を観察している俺に気付いているのかいないのか…。



だらしなく布団に寝そべったまま、曖昧にしか答えない俺に業を煮やして
臍まではだけられたシャツをそのままに、更に『良く見ろ』と近付いた。



「“ロリコン”とか、“ジジイ”とか、いい加減にしないか!…むしろ俺のせいにするんじゃない。」


…だるいな。
一々少佐の事で熱くなる真木さんが苛つく!



不機嫌な顔で視線を外すと、隠されていた胸元に更にムカつくものを見付けた。


赤い、斑点。


一目でキスマークだと分かるそれを見せられて頭に血が昇った俺は、隠し持っていた小型ECM(超能力対抗装置)のスイッチを殴るように押していた。


「な…」

その事に気付き抗議しようとした真木さんの唇を無理矢理塞ぐと、羽織っていた背広を素早く脱がして困惑した奴の両手を縛り上げる。


「…何のつもりだ?」


「さぁね?」


…分かってるクセに。

いくらガタイの良い真木さんでも、能力を奪われ両手まで塞がれた状態ではそうそう抵抗は出来ないだろう。

冷静さを装ってはいたが、動揺している事が丸分かりだ。

バランスを崩したところを馬乗りになり、冷ややかな目で胸元を指差してやった。


「これ付けたの、少佐?」馬鹿正直に顔色を変えたのを見届けると、嫉妬で狂いそうになる顔を耳元に寄せて息を吹きかけるように交換条件を突き付けた。

「黙っててやるから、ヤらせろよ。」


低く絡みつくような俺の言葉に、目を見開き体を硬直させた真木さんは、信じらんないような目で俺を見ている。

しかし、返事を待たずに舌を首筋に這わせ股間を弄りはじめた俺が“本気”だと分かり、真っ赤な顔で睨み付けてくるのが、
…また、そそる。



「真木さんが悪いんだ。
…言われた通りに隅々まで“良く見る”だけだよ。」

「っ」

熱を持った俺の息がくすぐったいのか、少しだけ身を捩り必死に耐えているようだ。


「止め…ろ。」


こんな状態にもかかわらず、まだそんな口を聞く。
それでも息をもらし、呼吸が上がり始めた今では誘っている様にしか見えそうにない。

首筋から下りてきた舌が胸の突起物をなぶり出すと、次第に耐えられなくなってきたのか、真木さんの股間が固さを増していた。


「…感じてんじゃん?
そんなに開発されてるの?」


真木さんの気持ちとは裏腹に敏感さを増すその肌が、さらに俺を苛つかせていた。



「…違っ…っ」

否定したところで止めるつもりもないし、説得力もない。



すでに刻印されていた少佐の痕を自分の痕で上書きする度に
ピクンピクン
と動く真木さんを確かめながら、
これを見付けた時の怒りに満ちた少佐が瞼にちらついた。



「…いいね?この痕。」


「?…! はぁあ…っ…んっ」


鼻から抜ける甘い吐息が色気を振りまき、もっと聞きたいが為にしつこく愛撫を繰り返す。

「教えてくれてる。真木さんの気持ちいいところ…」


残りのボタンを一つずつ外していき、
ベルトに手をかけた…。


バタバタと無駄な抵抗をしてはいるが、切なそうなその顔は聞かなくとも『出したい』と訴えている。



ゆっくりとチャックを引き下げて、下着の上からでもはっきりと形が分かるそれを布越しに含んだ。


「!あ、んっ…」


その瞬間、ビクンと大きく脈を打ち放たれた精子が下着を濡らして、まだ口に含んだままの俺の口内にも僅かに滲み出した。


「…何勝手に出してんのさ。」

分かっててヤったんだけどさ。

不本意の結果に顔を背けている真木さんの顔を髪を掴んで無理矢理こちらに向けると、


「ストレス溜まりすぎじゃない?ちょっと苦いよ?」


「…葉、…誰のせいだと…思ってる!」


赤い顔で俺を睨み付けている真木さんを無視して、

「まだ、俺出して無いんだけど。」


「そんなの知るか!…いい加減っ」


丁度良く開けられた口に俺のを突っ込んだ。


「歯、立てたらもっと非道いよ?」


いきなりの奥まで入ってきたそれに吐き気を催しながらも、
“非道い事”が効いたのか、少しだけ舌を使って舐める仕草が、可愛いじゃないか。



真木さんの口内はやけに熱くて、同時に下半身を触ってやると隙間からもれる吐息がくすぐったい。



さっきの精子でヌルヌルになった下着をずり下げて、精子をローション代わりに指をゆっくり挿入した。


「ふっ!ぁあぁ…っ」


こんなイイ声で鳴かれたら、もっと苛めちゃうよ?


塞いだ口を開放して下半身に顔を埋めると、一気に固くなった真木さんの先端を舌でなぞり出した。

…勿論、指は入れたまま。
しかも四方向に動かしながら。


両方から与えられる快感に身震いして身を捩り、可愛い声で鳴く真木さんにサディスティックな笑みをこぼすと、


「入れるよ?」


ビクッと肩を揺らした真木さんが小さな声で俺の名前を呼んだ気がした…。


しかしそれは
「…同意は求めてないけどね。」
という俺の声にかき消されて…。


後ろ向きにされた真木さんのそこに、俺のモノをゆっくりと挿入した…。


「ん、んっ!」


必死に拘束されたままの両手をバタつかせ、
動く度に毛布を噛み締め声を押し殺して鳴くその人を切ない思いで見つめながら


唇を這わせた事によって仰け反った背中に顔を寄せると、何とも言えない征服感に喜びを噛み締めた。



「…気持ち、いい?」

「んっ…クッ…」

答える筈がない事は分かっていたが、何かを聞く度に脈打つ中が、言葉にしなくても『気持ちいい』と言っている。


想像以上の締め付けに、直ぐにでもイってしまいそうだ。


「…いやらしいね?真木さん…」


次第に早くなる腰使いに鳴き続ける真木さんの下部をしごくと、


「ああぁ!」


とうとう我慢出来なくなった声が、『イキたい』って言っている。


…仕方ないな。


もう少し堪能したい気持ちはあったが、締め付けが増した事により俺もそう長くは保ちそうにない。


「…イクよ?」


「!?」


一番深く突き上げて、その奥にたっぷり濃いのを解き放つと
ほぼ同時に細かな動きを見せた真木さんが、先端からトロトロ精子を排出していた。


「一緒にイクなんて、可愛い事するじゃん。」


手についたそれを舌で舐めとり、そのままグッタリとした真木さんと唇を合わせた。



ゴンッ!


「!?」

いきなりの後頭部を殴られて振り向くと、

「…少、佐…」


鬼のような表情の少佐が俺を睨み付けている。


…ヤバい!

とっさに逃げようとしたが、ECMの働きにより能力が使えない。


…そうだった。少佐には効かないんだった…


あっという間に組み伏せられた俺を尻目に、やっと拘束を解かれた真木さんの目が、笑っていない。


「ま、待って!ほんの出来心で!」


俺の言い訳も虚しく能力が戻った真木さんに、下半身丸出しのまま半日ほど貼り付けの刑にされたのは言うまでもない。



end。


2008/10/7 *緒神

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