『蒼く続く空…』
…9。
「…プレゼント、持ってきたんだ…」
…プレゼント?
何の話だ?
「…誕生日…。」
「あ、俺の?」
すっかり忘れてた。そろそろ俺の誕生日だ。
「几帳面だな。別にいいのに。」
少し照れくさかったが、嬉しかったりして。
友達からプレゼントを貰うなんていつぶりだろう。
空き缶を捨てると、少し汚れた手を払いながら隣りに座り直した。
「わざわさ悪いな。」
差し出されたプレゼントは綺麗にラッピングされていて、それなりの大きさだった。
何が入っているのだろう。
「気合いはいってるじゃん…。
開けてもいい?」
ラッピングに手をかけると
「今じゃなくて!…誕生日まで待って…」
「誕生日まで?いいじゃん今でも。」
何のこだわりだよ。
「……」
また黙ってるし。
「分かったよ。忘れなかったら、あとで開けるよ。」
忘れない様に自転車のカゴに入れると、
「―が好きなんだ…」
泣きそうな声が聞こえてきた。
え?好き?
…誰の事だろう?
名前まで聞き取れなかった。
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