『蒼く続く空…』
…4。
放課後。
結局、声をかけられないまま一日を過ごしてしまった。
正直、どう声をかければいいのか分からなかったというのが本音だ。
…帰るか。
何かどうでも良くなってきた。
ジイさんの事だ。無い事に気付いたら勝手に買うだろう。
さっさと忘れるに限る。
そう思いながら昇降口に向かっていると背後から声がした。
「…どうして何も言わないの?」
振り帰るとすぐ後ろにソイツはいた。
…びっくりした。
何だか気味が悪く感じたが、悟られない様に笑顔をつくると
「…別に。
いいんじゃないの?」
ソイツは一瞬顔を歪めてから、自嘲気味に笑った。
「…そうだよね。
今まで気付かなかったヤツの事なんか、どうだっていいに決まってる…。」
そう言って、走り去ってしまった。
…何だっていうんだ!
腹が立つ!
まるで自分が悪者の様じゃないか。
昨日擦りむいたところが痛む…。
傷口に触れた俺は、もう溜め息を吐くしかなかった。
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