『蒼く続く空…』
…6。
…何なんだよ。
もうわけが分からない。
手が緩むのを待ってその場に蹲る様に座り込んソイツを見ながら、
…俺ってイジメっこ?
何だかアホらしくなって、
溜め息を吐いた。
ハァ。
溜め息に気付き一度肩を揺らしてソイツの隣りに腰を下ろすと、出来るだけ優しく、ゆっくりと声を掛けた。
「…言えよ。」
嗚咽はまだ、止まない。
「聞いてやるから。」
予想外だったのか一瞬俺を見ると、唇を噛み締め、また俯いてしまった。
暫くそうして居ただろうか。
やがて嗚咽も聞こえなくなり、夏独特の暑い風が吹いた。
「…羨ましかったんだ。」
か細くて、今にも消えそうな声だった。
「羨ましい?」
聞き返すと
「…友達に、なりたかった…」
ポツリと呟いた。
なんだそんな事か…
正直、拍子抜けだ。
コイツはただ感情表現が苦手なだけ。
気味悪く思っていた自分が少し恥ずかしかった。
「別にいいよ。
ダチぐらいなってやるよ。」
友達なんて改めてなる様なものじゃない。
「あっついな!」
何だか恥ずかしくなって、笑って誤魔化してみた。
アイツは、泣いてるんだか笑ってるんだか分からない顔をしている。
それがおかしくて、また笑った。
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