『蒼く続く空…』
…23。
最後の日。
『本当は、言わない方がいいって分かっていたつもりだったのに、気持ちを伝えてしまった。
でも死ぬ前に伝える事が出来て良かった。
あの人に辛い顔をさせちゃったけど。
絶対ふられるって分かってたのに、わざわざ告白なんかして、
僕って酷いやつだな。
でも、僕はスッキリしてるんだ。
自分の気持ちを伝えられて良かった。
あの人に会えて良かった。
ただ一つ、さよならが言えなかった事だけが心残りだ。
忘れちゃうかな…。
それでもいいや。
あの人がずっと笑っていてくれるといいな。
本当に、好きだった。
すごく好きだった。
最期に笑った顔が見たかった。
死んだら見に行けるかな?』
そこで日記は終わっていた。
…涙が、止まらなかった。
最期までアイツは俺の事を想っていてくれていた。
もし俺が、
もっと早く手紙を読んでいたら、
何か変わっていただろうか。
今となっては、もう分からない…
「ごめんなさい…」
俺は深々と頭を下げると
ただ、謝る事しかできなかった…。
何か気付いたのだろう。
「…そう」
呟くときつく抱き締められた。
「忘れないで。
…あの子の事、忘れないであげてね…」
泣きながらうなづいた。
忘れない。
忘れられない…
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