『蒼く続く空…』
…19。
「…一緒に行くか?」
ジイさんは俺の手を引くと有無を言わさず外へ向った。
車の中ではずっと無言だった。
なぜ名前で驚いたのか。
なぜ家を知っているのか。
なぜ一緒に向かっているのか。
聞きたいことはいっぱいあったが、聞けなかった。
20分程度だろうか。
車が着いたのは普通の二階建ての家だった。
表札に『山本』と書いてある。
呼鈴を鳴らすと、先程の声の主だろう。
丁度母親ぐらいの年齢の女性が出てきた。
「何でしょう。」
「私立図書館をやっております。本堂です。先日はどうも…。」
「…いえ。」
そう言うと玄関へ迎えてくれた。
「こちらへどうぞ。」
「どうも失礼致します。」
客間に案内されると、ジイさんがおもむろに切り出した。
「侑史君にお線香をあげたいのですが…」
!!
そのまま、目の前が真っ暗になった。
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