『蒼く続く空…』
…17。
あれから数日が過ぎた。
自宅の住所を先生に聞いたが教えてもらえなかった。
仕方がないので、こっそり図書館の貸出し記録から電話番号を調べた。
上手くいけば見つかる筈だ…。
ビンゴ!
パソコンの住所録から番号を書き写すと、急いで携帯を取り出した。
もう、繋がらないかもしれない。
だけど、もし両親以外にも住んでいる人がいれば。
自分の部屋へ向かうと、ゆっくりボタンを押した。
何度かの呼出し音の後、出たのは女の人だった。
「はい。山本です。」
「あのっ!……」
途端に何を話せばいいのか分からなくなってしまった。
「あ、あの…。」
早く言わなくては。
「山本くんと同じクラスだった者ですが…」
そこまで言って、みんなが山本だという事に気が付いた。
何言ってるんだろう。
「…山本侑史くんの引っ越し先を知りたいのですが…」
何とかそう言うと、意外に返答が返ってきた。
「…侑史ならもういません。」
…いない?
「え?どういう…」
高い音がして、切られた。
…嫌な予感がした。
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