『蒼く続く空…』
…16。
「告白されたんだ。」
「……。」
「…男だった。」
「!熱っちぃ」
火に触れてしまったのだろう。
大きく手を振っている。
動揺しているようだ。
咳払いを合図に続きを話始めた。
「夏休みに入った日だったよ」
ポツリ、ポツリと話す。
「呼び出されて」
たまに相づちを打ちながら黙って聞いてくれた。
「誕生日のプレゼント貰って。
名前までは聞き取れなかった。
からかいながら、相談料かって。
そしたら、アイツ、俺が好きだって言って…」
そこで止まってしまった。
アイツの傷付いた顔がはなれない。
「…傷付けた。
何か言ってたのに、最後まで聞かなかった!
…掴まれたのを振り払って、逃げてきたんだ。」
「ん。」
「今日、学校に行ったらさ…。
アイツいなかった。
転校したんだって。
…知らなかった。」
そこまで言うと今まで黙っていたジイさんが口を開いた。
「蒼生はどうしたいんだ。」
…俺?
「そいつが好きだったのか?」
好き?
…違うと思う。
少なくとも恋愛感情は持っていなかった。
それじゃ、
友達?
本当に友達だったのか?
俺はアイツを…
自分より下だと思ってた。
憐れんでた。
なんて酷い奴なんだ。
俺って最低だ。
「…謝りたい。」
くしゃくしゃになってしまった手紙をみた。
「そうか。」
ジイさんは俺の頭を撫でながら呟いた。
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