『蒼く続く空…』
…15。
気が付いたら涙が流れていた。
字が震えてたから?
涙の跡があったから?
違う。自分がムカついたからだ。
自己嫌悪で床を叩いた。
なんであの時最後まで話を聞いてやれなかったんだろう。
なんであの時振り向かなかったんだろう。
手紙を持つ手に力が入った。
アイツは何も望んでいなかったのに!
あの時、確かに言っていたじゃないか。
『何かしたいわけでも、して欲しいわけでもない!』
…あれは本心だったんだ。
何度も何度も床を叩くうちに
音を聞いてジイさんが部屋に入ってきた。
俺の顔を見ると
「…どうした。」
答えたくない。
黙っていると、何も言わずにそばにいてくれた。
本当は一人になりたかったが、そばにいてくれるのはジイさんなりの優しさなんだ。
正直、悲しかったのか悔しかったのか分からない。
ぐちゃぐちゃな気持ちだった。
「友達を傷付けたんだ。」
「…そうか。」
懐から煙草を取り出すと火をつけながら言った。
「ジイさん…灰皿ないよ。」
「ん。持ってる。」
部屋に広がる煙の輪。
見上げるとそのまま寝転んだ。
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