『蒼く続く空…』
…12。
…え?
我が目を疑い顔を向けると、そこにアイツの姿は無かった。
机もない。
どういう事だ?
入口に突立ったまま、動けそうにない。
「おっはよ〜!」
陽気な声で肩を叩かれ我にかえると、いつもと変わらない山田が立っていた。
「いいなぁ。2日も長く夏休みがもらえて〜」
「ん?ああ。」
「なんか顔色悪くね?」
「大丈夫…」
あまり大丈夫ではない。
不安を感じたまま席に着くと、
山田に聞いてみた。
“自分は何も関係ない”
そんな風に装って…。
「あれ?なんか、席少なくなってない?」
山田は、少し顔を歪めた。
「…何言ってんだよ。
知らないわけないだろ?お前仲良くしてたじゃん。
…聞いてないのか?」
知らない。
何も聞いてない。
暫く黙ったままでいると、
「転校したって言ってたぜ?夏休み入ってすぐって聞いた…。」
え…?
転校…?
「ウソだろ…?」
誰に言ったわけでもなく呟くと鞄を持って走り出した。
「おい!」
後ろで山田が呼んでいたがかまわなかった。
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