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『蒼く続く空…』
…1。




アイツに気が付いたのは図書館だった。


その頃の俺は、荒れていた訳ではなかったが意味もなく苛つく事が多かった。

それなりに勉強も出来たし、人並みにスポーツも出来た。
特に趣味も無く、夢もない。


何か抜き出た特技でもあればまだ楽なのに…。


なんとなくで出した大学への進路志望になんとなくで勉強している毎日。

…もう飽き飽きだ。



気分転換になるかと思い、ジイさんが建てた図書館に足を向けた。

俺のジイさんは変わり者で、家の敷地内に趣味で私立図書館を開いている。
ただの道楽だが、こういう時は本当、便利だ。






「…暑いな。」


目的地まで1分も満たないのにこの暑さはなんだろう。

ジリジリと照り付ける太陽を見上げながら呟いてみたが、そんな事をしても涼しくなるわけでもない。
暑さを実感しただけだった。



…早く夏休みになればいいのに。


まだ七月に入ったばかりだ。
夏休みまでは随分遠い。


休みに入ったら何をしようか。
夏期講習?そんなの行く気にもならない。
鼻で笑ってしまう。



溜め息にも似た息を吐き出して歩いていると館内に入って行く、見覚えのある姿を見つけた。


…誰だったっけ。

どこかで見た覚えはあるが思い出せない。



昨日食べた魚の骨が、まだ喉に閊えたままの様な。
なんとも言えない気分だ。


…ムカつくな。


いっそ声を掛けて見ようかと思ったが知り合いじゃ無かったらただの変な奴だ。


…それはちょっと嫌かも。


仕方が無いので思い出すのを待つ事にして図書館に入った。






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あきゅろす。
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