[通常モード] [URL送信]
…66。





…なんで?


もやもやした気分のまま、足のはみ出るソファーで寝返りを打った。


教室にも向かわず、そのまま2時限目を秘密基地で向かえた俺は、さっきから同じ問答を繰り返している。


…茶髪の方が好きだった、とか。
そんな理由じゃないもんな。


我ながらそれは無いなと苦笑して、結局最後に思い付くのは…


『戻りたくなかったから』



だがそれも、呆気なく否定した。
…そんなわけないんだから。



勇気と一番連んでいたのは中学の時だった。
正確には、高校に入ってから段々と勇気がよそよそしくなっていったのだ。


あの頃の、
みんなで馬鹿やって
みんなで笑いあって
本気で喧嘩して
本気で泣いて…
全部全部全力で、すぐ近くに勇気を感じてたあの頃に

「戻りたいな…。」


前髪が目に刺さり、払うように目を覆った。


視界に入った黒が異様に虚しさを演出して、閉じた目蓋の裏も、結局真っ黒で。


「ムカつくっ…。」




[*前へ][次へ#]

11/23ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!