…1。 弘史×拓己本編後。 18禁甘々えっち。 好きとか付き合うとか、全てを口に出さなくても、伝わってるなんて、なんで俺は勘違いしていたんだろう。 それでも互いの気持ちが通じ合ったと感じたのは一週間ほど前の話。 あんなに調子の悪そうだった具合も良くなり、いつも通りの毎日をすごしていた。 そう。 まるっきり“いつも通り”だ。 「…拓己?」 拓己は、普段無口で無表情だ。それでも幼い頃からずっと拓己だけを見ていた俺には、その僅かな違いが手に取るようにわかる。 いや、わかっていた筈だった。 俺の呼び掛けが聞こえなかったのか、それとも無視したのか何の反応も見せない拓己の後を追った。 学校終わりの放課後。 いつものように二人で帰ろうと思っていた俺は、HRの長い拓己のクラスの前で待ち伏せていた。 俺達のクラスより、ゆうに十分は遅れて終了したHRに次々と生徒達が教室を出て行く中、逃げるように遠い出入り口から姿を現した拓己は、そのままこちらをチラリとも見ずに昇降口へと歩き出した。 「?」 僅かに首を傾げながら当たり前のように後ろに従う自分は、拓己に何かしたんだろうか。 周りにはいつもと変わらないように映る後ろ姿は、明らかに「近付くな」と俺を拒絶してて。 「拓己、どうかした?」 たまらず隣に並び声を掛けたが、拓己は無言のままだった。 …俺、何もしてないよな。 むしろいつも通りに振る舞っていた自信がある。 本当は今すぐにでも抱き締めて、唇を奪いグチャグチャになるまで抱き尽くしたい気持ちをしっかりと抑えつけ、拓己の負担にならないように努力していたと自負している。 それもこれも拓己が熱を出すくらいに無茶苦茶な抱き方をした自分を反省しているからだ。 雨に打たれて濡れていた拓己をバスルームで意識がなくなるまで抱き、翌日も勝手な嫉妬で無理矢理身体を開いた。 所有印を主張するように身体中に散らされたキスマークは、梅雨の肌寒さでセーターの下に隠されていたが、なかなか消えず赤みどころか青あざのようになり、まだ黄色味を帯びて残っている事も知っていた。 [次へ#] [戻る] |