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…12。




それからというもの直文は悉く俺を避けまくっている。


楽しみにしてた朝練もやめてしまって、放課後の部活はきっちり出ているものの目が合えば逸らされ、話し掛けようとすると脱兎の如く逃げ出してしまう。



「…どないしたらええねんな…」


離れた木陰に腰を下ろすと、独り言を呟いて頭を掻いた。


話をしたい。
けど、俺を見る度にグニャリと歪む顔は見たない。


「はぁ〜、」

深く溜め息を吐いてると、


「あれ?こんな所で何してるんですか?」
「……ああ、翔ちゃんか。」

「先生、です。」


はいはい。
なんて童顔教師に返事をして、直文に視線を投げた。



「……なあ、センセ。好きなヤツの誤解解くのってどうしたらええと思う?」

「誤解?」


…あー、てかなんでコイツにこんな話してるんだろ。
溺れる者は藁をも掴むってこういう事だと思う。


「そうだなぁ…。」


それでも真面目に考えてくれる童顔を見上げると、にっこりと笑顔を向けてきた童顔が意地悪な言葉を吐いてきた。



「やっぱり日頃の行いでしょ。」
「あ゛?」

「五百蔵くんはちょっとお灸を据えられるくらいでいいと思うけど。」



…やっばい、こいつマジムカつく。

引きつった笑みを向けると、極上とも言える笑みを返された。


「だって見てるの藤原くんでしょ。剣道部の。」

「え?」


…なんで知ってんのん?


「真面目でいいこですよねぇ。
人気もあるみたいだし、五百蔵くんみたいな軽薄な人より、もっと真摯で大切にしてくれる人と付き合った方が彼の為になるんじゃないかな?」


「……。」






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あきゅろす。
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