…9。
あれか?
好きだけど素直になれません的な?
浮気な俺に嫉妬して的な?
俺的には、俺様ドS浮気攻には健気受がいいんだけど!
ついキョロキョロと周りを見回してみたが、誰なのか見当も付かない。
目が合ったのなんて生徒の一部ぐらいで、後は来賓席に座って何故かビデオカメラを設置してる、理事長代理兼補佐の夏兄くらいだ。
とりあえず、にこやかに手を振られたので振り返したけど。
いつの間にか始まった入学式もそっちのけで、無口になった無限にボソボソと周りには聞こえない位の声で訊ねた。
「…もしかして生徒とか?」
だって興味がある。
一見俺様ドSの本命なんて気になって仕方ないじゃないか。
100%好奇心。
あわよくば、元カノにネタ提供とか思ってる。
しかし無限は何も答えてくれなくて…
…まあ、そうだよな。
秘密だよな。
生徒とか禁断だろ。誰にも言えないよなぁ。
自己完結で頷きながら、なんとなく優越感で見た無限は、
「!?」
なんかメチャクチャ怒ってました。
…怖っ!
どす黒いオーラが出てるんですけど!?
明らかに怒ってます。
不機嫌です。なんで!?
無限の正面に座ってる生徒とか青ざめちゃってますけど!
「…無限、せんせ…?」
恐る恐る話し掛けると、微かに口が動いた気がした。
俺、読唇術とか出来ないんだけど、微かに聞こえた無限の声が、
「…なんで手…?ムカつく…」
そう聞こえた気がした。
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