…12。
充電器の上で、先程からメールの受信を知らせる光が忙しなく点滅している。
内容に予想が付く為出来れば無視を決め込みたかったが、どうにも視界に入り仕方なくメールを開いた。
『ktkr!』
…うん。予想より随分短かったよ、美奈ちゃん。
早速する羽目になった報告メールの返事に深く心が抉られそうだよ。
ピッ、ピピ、
『俺様ドS教師にちゅーされた』
送信ボックスに入った元カノへのメールを削除しながら、メールみたいに事実も削除出来ればいいのに…なんて涙ぐんだのは言うまでもない。
もう直ぐ新学期。
慣れない環境で二次元から飛び出してきた日常に自分は耐えきれるのかと、不安でしかない幸先に、まだ全然片付いていない荷物をほっぽりだしてベッドに寝ころんだ。
…疲れた。
主に精神が。
その日、無限に迫られる夢で夜中に飛び起きたのは、秘密だ。
『れもん風味のprologue』…end。
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