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…19。





「……。」



その手は壊れ物にでも触れるみたいに優しくて、まるで大丈夫だと言われているみたいに温かった。
そのうち胸の中がふわふわしてむず痒くなってきて。


まさかこの年になってこんな風に頭撫でられるとか思ってなくて、恥ずかしいやら照れ臭いやら。
同時に何故か胸の奥の方がじんわりと温かくなってきた。



蒼白だった顔にもだんだんと血の気が戻ってきて、むしろ熱いくらい。
変に熱をもってしまった気がする。




しばらく続いた行為は俺の顔色が回復したと同時に終わった。



「落ち着いた?」
なんて言われて、不本意だけど本当に落ち着いてしまった自分が恥ずかしい。



「…で?何にも無かったなら、なんでそんなに青くなってたんだ?」



ごもっともな質問に朝比奈をチラ見した後、なんとも情けないが正直に理由を告げる事にした。



「…解雇されるんじゃないかと思って…」

「「は?」」



てか、声を揃えて聞き返すなよ。



「…誤解でも、生徒と二人で……な感じのとこ見られたから…」



ごにょごにょと語尾を濁した俺に、それでも覚ってくれた無限は、「馬鹿だな」と呆れた溜め息を吐いている。


呆れる気持ちも分かります。
でも俺には死活問題なんですよ!



「言っとくけど、んな事いちいちチクったりしないから。」



予想外の言葉に無限を見上げた。





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